目的
- コンタクトレンズの基礎知識について理解を深める
概要
- コンタクトレンズには様々な種類があるが、大別してソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの2種類がある
ソフトコンタクトレンズ(SCL)
- シリコーンが含まれていない従来型のレンズ(ハイドログルレンズ)と、シリコーンが含まれているシリコーンハイドログルレンズがある
- 含水率が50%以上のものを高含水レンズ、50%未満のものを低含水レンズという
- メリット:外れにくい、ずれにくい、装用感に優れている
- デメリット:汚れが付着しやすい、微生物(真菌、アメーバ、細菌など)が繁殖しやすいため、定期的に消毒が必要である
- シリコーンハイドログルレンズは蛋白質が付着しにくい、酸素透過性に優れている、乾燥しにくいなどのメリットがあるが、脂質が付きやすく、水濡れ性が悪いなどのデメリットがある
ハードコンタクトレンズ(HCL)
- ガス透過性ハードコンタクトレンズとポリメチルメタクリレートがあるが、角膜への安全面を考慮し、前者が主に使用されている
- メリット:ソフトコンタクトレンズと比較して、矯正効果が高い、不正乱視や強度の角膜乱視に適している、耐久性が高く、長持ちする、汚れが付着しにくいので、手入れが簡単である
- デメリット:外れやすく、ずれやすいので、激しい運動をする人の場合は不向きである
使い捨てレンズ
- メリット:簡便性、安全性、快適性に優れている
- 材質は、ソフトコンタクトレンズのみである
トーリックレンズ
- 強主経線方向と弱主経線方向において、それぞれ違った曲率半径を持つ面が存在するコンタクトレンズであり、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの両方にある
- 球面HCLの装着感が良好の場合:残余乱視が問題の場合は前面トーリックHCLあるいはトーリックSCLの使用を検討する
- 強度角膜乱視のために球面HCLの装着感が不良の場合:残余乱視が問題となる場合は後面トーリックHCLあるいは両面トーリックHCLの使用を検討する
遠近両用レンズ
- ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの両方にあり、老眼の矯正を目的としている
- 老眼とは遠目を見る時の焦点と、近くを見る時の焦点が違うために起こるので、1つのコンタクトレンズの中に遠目用と近く用の違う焦点を持つものが必要となる
- 形状面および光学的な機能面からみて、同心円型やセグメント型、同時視型と交代視型などに分類され、さらに累進屈折カ(多焦点)レンズや二重焦点レンズやなど様々なものがある
アセスメント
- コンタクトレンズは、近視、乱視、遠視などの屈折異常や老視を矯正することが目的であるため、可能な限り、矯正力に優れ、効果の高いものを選ぶ
- コンタクトの装着によって、不快感や眼障害などのトラブルが生じないよう、個々の状態にフィットしたコンタクトレンズを選択する
- 使い捨てコンタクトレンズ以外のレンズは、消毒などのケアが必要となるため、患者の生活環境や経済面なども考慮する
- コンタクトレンズは未成年(思春期前後の児童)くらいから使用を希望する場合もあり、メンテナンスについては家人(保護者)などへも同時に指導する必要がある
- 高齢者の使用もメンテナンスについては家人への指導が必要となる場合もあるため、患者背景や家族構成なども加味した指導を行う