過活動膀胱患者への行動療法
過活動膀胱患者への行動療法【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年7月29日
最終更新日:2018年11月26日
(変更日:2013年7月24日) ※
目的
行動療法の概要
生活指導
- 尿意が頻回になりやすいため、身体(特に下半身)を冷やさないようにする
- 切迫性尿失禁や頻尿を改善するため、過剰な水分摂取を避け、利尿作用があるアルコールやカフェイン摂取を押さえることを勧める
- 便秘になると、便が膀胱を刺激することによって、膀胱機能が安定しなくなるため、適度な水分や繊維性の食物の摂取や運動を勧める
- 切迫性尿失禁を防止するため、外出時にトイレの位置を事前に確認する、早めにトイレに行くなどの工夫をするよう勧める
- 高齢者の場合、尿瓶やポータブルトイレを活用する、トイレの近くの部屋で過ごす、脱衣が容易な衣類を着るなどの工夫も行う
骨壁底筋体操
- 骨盤底筋体操は、男性の前立腺全摘除術後の尿失禁や女性の腹圧性尿失禁に対して行う行動療法である
- 骨盤底筋を鍛えることで、骨盤内臓器の下降を防止するだけではなく、尿道を締めることで尿漏れを改善できる可能性もある
膀胱訓練
- 膀胱訓練は徐々に排尿の間隔を延ばしていくことで、膀胱容量の増加を図る訓練である
- 方法
- 尿意をコントロールするメカニズムや排尿の仕組みについて説明する
- 排尿状況(量、時間など)を数日間、記載してもらい、排尿間隔と1回排尿量について患者と情報の共有を行い、「どれ位の時間、排尿を我慢するか」「排尿量をどれくらい増やしていくか」について説明する
- 最初は短い時間から開始し、徐々に10分~1時間単位で排尿間隔を延ばし、最終的には2~3時間程度の排尿間隔が得られるように訓練を進めていく
排泄介助
- 切迫性尿失禁や過活動膀胱がある高齢者に対しては、パターン排尿誘導や時間排尿誘導となどがある
- 1日の排尿パターンや排尿間隔を把握し、尿失禁が起こる前に排尿パターンや一定期間に合わせてトイレ誘導を行う
- 尿漏れがある時には、おむつやパッドの使用にて、感染やかぶれが起こりやすい環境になるため、毎日シャワーを浴びる、パッドは可能な限り頻回に交換するなどして、陰部の清潔保持に努めるよう説明する
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