検体検査38 細胞診断（病理）の基礎知識

目的

• 細胞診断（病理）の基礎知識について理解する

必要物品・準備

• 検体を採取するための器具や保管するための容器
• 手袋
• 患者名等のラベル

検査の概要

• 検査の目的は、腫瘍細胞の有無（悪性または良性）、前がん病変の有無の確認、早期がんか進行がんかの鑑別、寄生虫・微生物・感染細胞の検索である

アセスメント

• 細胞診標本が作製されるまでの過程: 塗抹→固定→染色→顕微鏡検査

結果の解釈

扁平上皮細胞

• 異型扁平上皮細胞法（ASC）
• HSILを除外できない異型扁平上皮細胞（ASC-H）
• 意義不明な異型扁平上皮細胞（ASC-US）
• 軽度異型扁平上皮内病変（LSIL）
  • （軽度異形成、HPV感染、CIN1を含む）
• 高度扁平上皮内病変（HSIL）
  • （中等度あるいは高度異形成、上皮内がん：CIN2およびCIN3を含む）
  • 浸潤を疑う所見を有するHSIL（浸潤の疑いのある場合）
• 扁平上皮がん

腺細胞

• 特定不能な異型（AGC-NOS）
  • 特定不能な異型内頸部細胞
  • 特定不能な異型内膜細胞
  • 特定不能な異型腺細胞
• 腫瘍性を示唆する異型
  • 腫瘍性を示唆する異型内頸部細胞
  • 腫瘍性を示唆する異型内頭部細胞
  • 腫瘍性を示唆する異型腺細胞

内頸部上皮内腺がん（AIS）

• 子宮頸がん

腺がん

• 内頸部腺がん
• 内膜腺がん
• 子宮以外の腺がん
• 特定不能な腺がん

注意点

• ID明記の際、同姓同名がいるため、必ず容器には患者氏名やID番号を記載する
• 患者氏名と検体が合致しているか、細心の注意を払って確認する
• 時間の経過と共に、全ての細胞が変性するため、採取後は早い段階で検査室に届ける
• 特に、胆汁、十二指腸液、膵液などの場合、氷水の中に立てた容器に採取を行い、すぐに検査室に届ける 腹水・胸水の場合、抗凝固剤（ヘパリン）入り採血管に採取して、すぐに検査室に届ける