目的
- 情報より問題点を収集し、看護計画を立案する
- 医師、直接介助看護師など手術に関わるスタッフと情報を共有し、質の高い手術を目指す
方法
カルテ、手術申込みリストからの情報収集
- 氏名、生年月日(年齢)、性別
- 身長、体重、基礎疾患の有無
- 病名、手術部位、術式、手術体位、手術時間、麻酔、使用機器
- 同意書、各種説明書などインフォームドコンセントの内容
- 血液検査、心電図など術前検査の内容と結果
- 現病歴、既往歴、手術歴、投薬歴(現在投与中も含む)など
問診
- アレルギーの有無
- 皮膚の状態
- 疼痛の有無、部位
- 運動・知覚障害の有無、関節可動域
- 末梢循環の状態、四肢の動脈の触知、静脈瘤の有無
- 視力・聴力・言語障害の有無・程度、意識、認知、コミュニケーションの状態
- 歯の状態(取り外せる義歯がある場合、外して入室するよう説明する必要がある)
- 現病歴・既往歴の追加情報
- 喫煙歴
- 術中の待機家族の有無、人数
- 術中のBGMなどの希望
- その他
術前検査の結果で重要な項目
血液の検査結果
- 循環血液量による低酸素脳症を防ぐため、赤血球、ヘモグロビン、血小板、白血球など一般血液検査や血小板、出血時間、APTT、PTなど凝固機能検査の値を確認する
- 血液凝固機能の障害による易出血性、肝血流量の低下、麻酔や輸血、薬物による肝機能低下・肝障害の可能性を把握するため、AST(GOT)、ALT(GTP)、ALP、LDH、コリンエステラーゼ、血清アルブミン、止血機能、総ビリルビン値を確認する
- 電解質・酸塩基平行の異常、循環血液量の不足による術後急性腎不全の可能性を把握するため、BUN、クレアチニン、Ccr、電解質を確認する
- 術中、術後のインスリン欠乏の血糖上昇の可能性を把握するため、BS、HbA1C、GA、尿糖、尿ケトン体の値を確認する
循環器系の検査結果
- 心電図、血圧、運動機能の測定値や、場合によっては運動機能レベル(NYHA分類など)を確認する
※手術や麻酔による心筋の抑制、血管拡張、出血・輸血による循環血液量・血圧の変動、高血圧・心疾患による対応力の予測のため
呼吸器系の検査結果
- スパイロメータ、血液ガス分析値などの呼吸機能検査の値を確認する
※全身麻酔後の呼気量は40から60%低下し、酸素消費量は20%増加するため、術中の呼吸機能を予測する
注意点
- 病状や麻酔など手術に関する医学的な質問は、安易に返答せず、医師に報告する
- 一方的な問いかけになるのではなく、患者の言葉を傾聴する
- 緊急手術の場合は、最終飲食時間を確認して誤嚥予防につとめ、手術部位感染(Surgical Site Infection:SSI)の予防のため、 術前の処置の状況を確認することも必要となる
- アレルギーについてはその有無だけではなく、患者自身がアレルギーと考えておらず、病棟看護師に伝えていない場合もあるため、詳細に問いかけることも必要な場合がある