手術中の体位変換
手術中の体位変換【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年9月17日
最終更新日:2018年03月24日
(変更日:2020年5月22日) ※
目的
- 手術操作を容易にし、安全・安楽に手術を行うことができる
方法
- 術式、麻酔、患者の状態からアセスメントを行い、合併症などのリスクを予測する
- 手術や方法が変更になった場合は、予め執刀医や麻酔科医と相談し調節する
- 手術を理解し、必要物品を準備する
- 手術台の付近や室内を整理整頓し、体位変換に十分なスペースを確保する
- 十分な人手を確保する
- バイタルサインを測定する
- 気管チューブと呼吸回路をはずす
- 身体の移動は麻酔科医の号令のもとに行う
- 頸椎の保持ではねじらず、後屈しない
- 身体は引きずらないようにし、皮膚損傷を防ぐ
- シーツは皺を伸ばし、背抜きを行う
- 四肢は体幹につけ、落下の防止、脱臼・骨折を予防する
- 露出は最小限にとどめ、痛みや冷感などに留意する ※意識のない場合でも同様に、愛護的に接する
- 体位変換後、バイタルサインを測定する
手術中の良肢位
- 基本的には良肢位による固定が理想だが、術式などにより良肢位での固定が難しい場合は、以下のような手術中の良肢位を目指す
- 肩関節:側方拳上位、0~90度外転
- 肘関節:0度or軽度屈曲位、ただし体位により90度以内
- 手関節:0~20度の軽度背屈位
- 前腕 :回内回外中間位
- 股関節:軽度屈曲、10~30度の外転、ただし砕石位であれば外転40度以内
- 足関節:中間位
- 膝関節:10~30度の軽度屈曲位
固定直後の確認
循環障害の確認
- 腹部、心窩部、頸部、腋窩、鼠径部の血管に圧迫はないか
呼吸障害の確認
- 気管チューブの位置は適切か
- 体位の偏移はないか
- 肺機能を評価できるか
- 胸郭の圧迫はないか
褥瘡・神経障害の確認
- 圧迫部位の除圧・減圧が図れているか
- 表在する神経は解放できているか
- 良肢位は保てているか
- 脊椎の生理学的彎曲は保たれているか
- シーツの皺、ルート類、器具類による身体的に直接的な圧迫・接触はないか
転落の危険性の確認
体位変換時や手術台のローテーションをする際のシュミレーションを行い、各観察項目を実際に確認するとよりイメージしやすい。特に側臥位や伏臥位など体位、腹腔鏡などの手術で手術台が大きくローテーションする場合は注意が必要
注意点
- 体位変換前後はバイタルサインの変化に注意する
- チューブ、カテーテル、ライン、コードの牽引や抜去に注意する
- 露出は最小限にし、痛みや冷感など患者の立場に立ち、身体保護に努める
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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