浮腫患者のケアのポイント

浮腫患者のケアのポイント【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年8月15日
最終更新日:2018年04月07日
(変更日:2013年8月16日) ※

目的

  • 浮腫のある患者に適切なケアを行う

観察項目

  • 背景疾患(既往歴)の有無
  • 浮腫の部位、出現時間

アセスメント

  • 浮腫とは、細胞外液を構成している組織間液が何らかの原因で異常増加した状態のことをいう
  • 通常、全身性浮腫がある場合は、浮腫に気がつく前に体重増加が先に見られる

原因疾患による浮腫の特徴

肝性

  • 肝硬変の場合、腹水が貯留した状態から、下腿浮腫へと移行し、次第に全身浮腫へと拡大する

腎性

  • 顔・眼瞼に著明な浮腫が認められることが多い

心性

  • 顔面や上肢よりも両下肢に強く症状が認められる傾向がある
  • 朝よりも夕方に憎悪する場合が多い
  • 身体の中で、最も低い部分に貯留することが多く、長期臥位状態の場合は仙骨の周辺に浮腫が高率で認められる

浮腫が起こる主な疾患

局所性浮腫

  • 血管性:静脈血栓症、静脈瘤、上・下静脈症候群
  • リンパ管性:リンパ管閉塞、本態性リンパ管浮腫
  • 炎症性:痛風、 熱傷、関節リウマチ

全身性浮腫

  • 肝性:門脈圧亢進症、肝硬変
  • 腎性:ネフローゼ症候群、急性糸球体腎炎、腎不全
  • 心性:うっ血性心不全
  • そのほか
    • 栄養失調性:飢餓、アルコール依存症、悪性腫瘍
    • 内分泌性:甲状腺機能低下症(粘液水腫)
    • 妊娠性:妊娠高血圧症候群、正常妊娠
    • 薬物性:ホルモン療法薬、降圧薬、NSAIDs

看護のポイント

  • 浮腫が認められる場合、その部位や程度のほか、背景疾患の有無を確認する
  • 全身性の浮腫の場合、浮腫に気づくまえに体重増加に気づくことが多い
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