急性心筋梗塞と急性心膜炎の鑑別
急性心筋梗塞と急性心膜炎の鑑別【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年8月25日
最終更新日:2019年06月03日
(変更日:2019年9月26日) ※
目的
- 急性心膜炎と急性心筋梗塞の鑑別のポイントについて理解する
鑑別のポイント
- この2つの疾患は、いずれも心電図上でST上昇があり、胸痛もみられる
- どちらの疾患かで治療方針が変わることがあるため、早期に鑑別することが必要となる
※急性心筋梗塞から急性心膜炎を続発する場合もある
急性心筋梗塞
- 痛みの性状:圧迫感、灼熱感、前胸部の絞扼感、漠然とした不快感の左肩への放散
- 呼吸による影響:なし
- 痛みの持続時間:15分~30分以上持続
- 体位による影響:通常は認められない
- ST変化の特徴:ST上昇は上に凸型を示し、梗塞の部位によって、特定の誘導でST上 昇が認められる
急性心膜炎
- 痛みの性状:刺すような疼痛が見られ、場合によっては圧迫感や鈍痛が左僧帽筋に放散する
- 呼吸による影響:吸気時に増強する
- 痛みの持続時間:時間~日単位
- 体位による影響:座位で軽減し、仰臥位で増強する
- ST変化の特徴:ST上昇は下に凸型を示し、aVR、V1以外の全誘導でST上昇(相対的なPQ低下)が見られる
アセスメント
- 急性心膜炎と急性心筋梗塞、双方ともに心電図上にST上昇の所見と胸痛が見られるため、鑑別することが重要である
- 心電図モニターを装着していない場合でも、胸痛の現れ方、呼吸や体動による影響などから、ある程度判断することができる
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