睡眠時無呼吸症候群患者への対応
睡眠時無呼吸症候群患者への対応【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年9月5日
最終更新日:2013年9月5日
(変更日:2021年7月9日) ※
目的
疾患の概要
- 睡眠時無呼吸症候群とは、7時間以上の睡眠において10秒以上の無呼吸が30回以上見られる状態のことを指す
- 睡眠時無呼吸症候群とは命の危険性がある疾患であり、場合によっては治療の必要性がある
- いびきの症状が認められる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、十分注意をする必要がある
- 睡眠時無呼吸症候群の場合、頻回に無呼吸が生じることが原因で睡眠障害をきたし、日中に眠気を来す場合がある
- そのことにより、仕事中の居眠りや交通事故が起こる頻度が高くなり、大きな社会問題となっている
- 睡眠時無呼吸症候群は小児にも見られ、身体成長の遅れや漏斗胸、夜尿、アデノイド顔貌や睡眠覚醒のリズム異常など独特の症状によりみつけることができる
- 睡眠時無呼吸症候群の診断には終夜ポリグラフ検査が必要であり、その結果から呼吸障害や睡眠障害の程度が把握できる
治療
保存的治療
- 無呼吸症は、鼻から咽頭あるいは喉頭の経路のいずれかが狭窄あるいは閉塞することによって生じることが最も多い(閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群:OSAHS)
- そのため、治療としては、原因を除去することが必要であり、中でも肥満によるものの場合は、その改善を試みることが第1選択となるが、肥満は、すぐには改善しにくいため、nasal-CPAPや口腔内装具の治療を並行して行う
出張の外泊などで、nasal-CPAPの携帯が困難な場合は、口腔内装置の併用も検討する
手術治療
- 閉塞部位が上気道の形態異常である場合、手術治療も効果がある
- 小児の場合、扁桃肥大が原因であることが多く、ほとんどの場合は手術治療で改善する
観察項目
- いびき・無呼吸の有無・程度
- 睡眠中の窒息感や日中の眠気の有無
- 睡眠中の頻回な覚醒や熟眠感の欠如の有無
- 起床時の頭痛、日中の倦怠感、集中力の低下の有無
- 急激な体重増加の有無と程度
患者自身は自覚がないことが多いため、家族を含めた問診が必要である
アセスメント
- 適切な問診や指導が行えているか
- いびきや、睡眠時の無呼吸は患者に自覚がないことが多いため、注意深く問診を行うこと重要である
- 睡眠時無呼吸症候群がある場合は、命に危険を及ぼす場合もあることを患者に理解させる必要がある
- 治療の必要性を理解してもらい、合併症や肥満の改善のための治療を継続することが重要となる
- 医師、看護師、療法士、検査技師などが連携し合うことで、総合的な治療が必要となる
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