ストーマの装具交換
ストーマの装具交換【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年8月27日
最終更新日:2019年06月03日
(変更日:2019年9月26日) ※
目的
- ストーマの装具の交換時に必要な物品、流れ、ケアのポイントについて理解する
- 適切にストーマの装具交換が行える
必要物品・準備
必要物品
- 洗面器
- 石鹸、洗浄ボトル
- 清拭用布
- ディスポーザブル手袋・エプロン・マスク
- ビニール袋
- 消臭剤
- 剥離剤、清拭剤
- 新しいパウチ
- 皮膚保護材(ペースト、パウダー)
- 用手形成皮膚保護材、練り状皮膚保護材
- クリップ、ペン、ノギス、はさみ
準備
- 実施者・介助者の装備を整える
- 処置前後での手指衛生を行う
- ディスポーザブル手袋・エプロン・マスクを着用する
※感染予防のため
- 患者の状態を整える
- 装具交換の前に、パウチ内の排泄物をトイレで捨てておく
- 患者の姿勢は立位から椅子に浅く腰掛けて、腹部のしわ・たるみが自然に伸びた状態で行う
- 洗濯ばさみやクリップで衣服をとめておく
※衣服の汚染防止、患者が見えるようにするため
方法
- 装具を剥がす
- 指で皮膚を押さえながら優しく丁寧に装具を剥がす
- 皮膚が弱い、装具が剥がしにくい場合は粘着剥離剤(リムーバー)を使用する
粘着剥離剤(リムーバー)を使用する際には十分に拭き取らないと、装着時に不具合が出るため注意が必要
-
引っ張って一気に剥がした場合、皮膚トラブルの原因となるので注意する
※皮膚表面の角質層を傷つける恐れがある
- 剥がした装具の状態を観察する
- 皮膚保護材の皮膚接着面を観察し、溶解具合や排泄物の付着の有無を確認する
- 装具交換の目安:皮膚保護材の溶解部分がストーマ孔(中央のカット部分)から1cm以内のうちに交換する
- 皮膚保護材に排泄物が付着している場合、早急に対策を取る
- 排泄物が皮膚に接触している状態であり、持続すると皮膚トラブルや漏れ、臭いの原因となる
- ストーマとストーマ周囲の皮膚状態を観察する
- 清拭・洗浄を行う
- ストーマケア時は排泄物との接触を避けて、皮膚保護材や粘着物を除去する
※酸やアルカリとの接触を防ぐため - 石鹸を良く泡立て、泡を皮膚の上にのせてやさしく洗う
- 皮膚の赤や汚れを十分に落とす
- 洗浄時は皮脂の取りすぎによる乾燥に注意し、こすらない
- 石鹸が残らないようぬるま湯でしっかり洗い流す
- 皮膚の水分を拭き取り、十分に乾かす
- ストーマサイズを測定する
- ストーマのサイズが安定するまで、装具交換ごとにサイズ・形を計測し記録する
※ストーマ造設後、数か月は浮腫の状態が続くため
- 面板にホールサイズの印をつけ、カットする
- 患者の状態に応じて、装具装着前に皮膚保護材を用いる
- ストーマ周囲にびらんがある場合
- 装具交換前に粉状皮膚保護材を使用し、悪化を防
※ストーマに直接かかっても問題ない - 余分な粉をはらう
- 皮膚に深いしわやくぼみがある、ストーマの陥没やいびつな形の場合
- チューブやシートタイプの粘土状皮膚保護材を埋め込む
※排泄物の漏れを防ぐ
- 装具を装着する
- 装具の向きを確認し、皮膚保護材の剥離紙を剥がし、しわを伸ばしてから貼付する
- 装着後、少しの間貼付面を押さえてなじませる
- 装具交換の時間帯:患者の排泄サイクルに合わせて、排泄物が出にくい時間帯を調節する
- 患者の状態に応じて、清浄剤や消臭剤を使用し、排出口を閉じる
- 清浄剤をストーマ袋内が滑りやすくなる程度に噴霧すると、排泄物が出しやすくなる
- 排泄口を2~3回折り、留める
- 記録する
ケアのポイント
- 皮膚の清潔、刺激物の除去
- 機械的刺激を避ける
- 皮膚の浸軟を予防、感染予防に努める
観察項目
- 患者・家族の理解度、キーパーソンの把握(装具交換を誰が行うのか)
- ADL、セルフケア能力の把握、指導の進行状況の確認
- 今後の治療方針の確認
- ストーマ装具の種類、サイズ、交換の時間帯の確認
- ストーマのサイズや高さ、形、色の観察
- ストーマ粘膜皮膚接合部の状態観察
- 縫合状態、離開や出血の有無と程度、発赤・びらん、潰瘍の有無
- 皮膚保護材貼付部の状態観察
- 腹部状態の観察
- 腹部膨隆や緊満の有無、しわの入り方と程度、くぼみの有無
- ストーマの機能の観察
- 排泄物の状態(性状、量)、排ガスの有無、出血や粘膜の状態
- 装具の状態観察
- 漏れの有無(排泄物の付着具合)、皮膚保護材の溶解具合(均一か、部位)
- 早期合併症の観察
- 壊死、出血、浮腫、循環障害
- 狭窄、離開、膿瘍、血腫
- 排泄物や皮膚保護材による接触性皮膚炎
アセスメント
- 十分な観察を行い異常の早期発見・対処に努めたか
- トラブルがみられた場合に適切に対処し、悪化の防止に努めたか
- 交換時の状況を正確に記録し、スタッフで情報共有し統一したケアができるよう努めたか
注意点
- 患者の状態を見ながら、セルフケア確立に向け、段階を追って指導することが重要である
- ステップ1:看護師が説明しながら、すべて看護師が実施し、患者には見学してもらう
- ステップ2:できるところは患者に行ってもらい、できない部分を看護師が補う
- ステップ3:すべて患者が行い、看護師は見守りながら、ケアの不足部分を説明する
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関しては本記載内容とは対応が異なりますので、必ず各病院ごとに作成されている感染症ガイドラインに従ってください。
本コンテンツの情報により発生したトラブル、損害、不測の事態などについて、当社は一切の責任を負いかねますので、予めご了承いただきますようお願いいたします。
※コンテンツの日付け表記ついて「公開日…ページを公開した日」、「最終更新日…情報を更新した日」、「変更日…システムやデザインの変更を行った日」をそれぞれ指します。
「いまさら聞けない看護技術」の最新情報をチェックしよう
当サイトは、「あした仕事で使う知識を学べる」ナース専用のハウツーサイトです。
Facebook または Twitter で最新情報をチェックして、職場の同僚と差をつけよう!
Follow us!
ナース転職サイト おすすめ 3サイト
転職しようかな…と考えている看護師の方には、以下の転職支援サービスの利用がおすすめです。
-
看護roo!(カンゴルー)
● 累計利用者数50万人以上
● 求人数トップクラス
● 東証プライム市場上場企業
● 資格が活かせる病院以外の求人も豊富
公式サイト 口コミ・詳細 -
レバウェル看護(旧:看護のお仕事)
● 求人数トップクラス
● 累計利用者数は40万人突破!
● 病院求人多数
● がっつり働きたい人におすすめ
公式サイト 口コミ・詳細 -
マイナビ看護師
● CM多数!大手転職支援サービス
● 全国各地の求人をカバー
● ブランク・未経験OK求人が多い
公式サイト 口コミ・詳細
もっと詳しく知りたい方は、「ナースの転職サイト比較ランキング」をご覧になり、自分にあった転職サイトを探してみてください!
ナースハッピーライフを通じて転職支援サービスに登録いただくと、売上の一部がナースハッピーライフに還元されることがあり、看護技術の記事作成や運営費に充当することができます。応援お願いいたします。