目的
- 注意障害がある患者のケアのポイントについて理解し、個別性に応じた対応ができる
病態の概要
注意障害とは
- 障害部位:前頭連合野
- 特徴として
- 対象を選べない(選択性の障害)
- 対象への注意が続かない(持続性の障害)
- 対象が切り換えられない(転導性の障害)
- 複数の対象へ注意が向かない(分配性の障害)
- 症状の例
- 注意が散漫となり、食事が進まない
- 一口量が多く、口の中に詰め込み、むせる
- フットレストをおろしていないのに、立とうとする
治療
- リハビリが中心となる
観察項目
- 患者の基礎疾患、障害の部位の確認(CT画像など)
- 病識の有無、転倒リスクの把握
- 症状やADLの確認、援助内容の把握(指導方法)
- 食事摂取状況、患者周囲の環境の把握
- 麻痺などの症状の把握
- 治療方針とその内容、患者・家族の受け止めの状況
- 患者・家族の理解度
- 精神状態の把握
- 治療内容(リハビリの介入状況)の把握
アセスメント
- 注意障害の特徴を把握し、患者の病態を理解しているか
- 個別に応じた適切な関わりによって、日常生活の援助ができているか
看護ケアのポイント
- 複数の内容を一度に伝えると患者が混乱するため、1つの動作から指導する
- 指導は、集中力を保ち繰り返し行うことにより効果があるため、短時間でポイントを押さえて行い、あまり間隔をあけないようにする
- 声に出すことで注意が向き、エラー防止につなげるよう、注意・集中を喚起し、患者自ら声を出し行うよう促す
- 簡単な動作手順をベッドサイドに提示することで注意喚起し、患者自身に気づきやすくさせる
- 誰の問題なのか認識しやすくするため、名前を書いて注意喚起する
注意点
- 患者周囲の刺激をなくし、集中しやすい環境づくりに努める
※小さな刺激でも動作が中断され、生活に影響を及ぼすため