フットケアの基本技術 胼胝・鶏眼のケア

目的

• 胼胝・鶏眼の圧迫を除去することで、皮膚損傷の進行を防ぐことができる

方法

• 胼胝・鶏眼は、局所の圧迫や機械的な刺激により角質層が厚くなっている状態をいい、鶏眼は、中心部に芯がある
• 糖尿病患者の好発部位は、中足骨骨頭部と足趾部である
• 放置すると皮下出血や皮下組織の損傷から感染を起こす危険性がある
• 肥厚した部分を削ることにより、足にかかる圧を軽減する必要がある

削る

• コーンカッターややすり、電動やすりなどを使用して肥厚した部分を削っていく

• コーンカッターで削る際は、皮膚が乾燥している状態で行う
• 硬さや肥厚の程度を指で触りながら確認し、少しずつ削っていく
• 刃は、胼胝に軽く押し当てて削る（強く押し当てると厚く削れ出血の危険性がある）
• 胼胝は、すべて削らず２割程度残す（胼胝自体が機械的刺激への防衛反応であるため）

指導

• 胼胝・鶏眼はよくみられるものなので、かみそりで削ったり市販のサリチル酸絆創膏で自己処理しがちで
  • 自分でかみそりを使用した場合、削りすぎて出血させてしまう危険性がある
  • 市販のサリチル酸絆創膏は、歩行などの動きでずれてしまい、正常な皮膚を軟化させる危険性がある
• これらの自己処理が原因で壊疽を引き起こすこともあるため、自己処理はせず、必ず看護師か医師に相談するよう指導する
• 胼胝・鶏眼の原因は、靴にあることが多いので、適切な靴の選び方・はき方を指導する
• 足関節付近の足背部にできる胼胝は、正座が原因のことがあり、正座の時間を短縮するよう指導する