目的
- 間違いやすいポイントを押さえたインスリン自己注射の指導を行うことができる
インスリン自己注射の手順
1.組み立て
- インスリンカートリッジ製剤を使用する場合は、カートリッジを注入器に挿入する
2.振り混ぜる
- 懸濁性のインスリンは、初回時は十分にローリング後に白く均一になるまで10回以上振る。2回目以降はローリングは不要であるが白く均一になるまで10回以上振る。
振り混ぜ方が少く振り混ぜ方が不十分だと、懸濁が不均一となり、インスリンの濃度が濃い部分と薄い部分ができてしまい、注射時に一定のインスリンを投与できないため、大きな血糖値の変動を招く恐れがある
使用中の懸濁性インスリンは、30度以上の温度で薬剤の変性の可能性があるため保管に注意する。
正しい操作
懸濁性のインスリンは、十分に混和する
※透明なインスリンは、振る必要はない
3.注射針の取り付け
正しい操作
- 注入器と注射針をテーブルの上で滑らせながら、ゴム栓をアルコール綿で消毒する
- 注射器と新しい針が垂直になるように(まっすぐ)とりつける
注射針をまっすぐ取り付けないとまったく注入できないことがある
- 注射針をまっすぐ取り付けられない場合
- 注射針の内側の針が折れ曲がった状態で無理に装着してしまうことになり、ゴム栓に亀裂が生じるため、空打ち操作を行ってもインスリンは出てこない
- 無理に押し続けるとカートリッジ内の圧が上がり、亀裂の入ったゴム栓が風船のように膨らむ
- 実際はインスリンはまったく注入されておらず、このインスリンは使用できなくなる
4.空打ち(試し打ち)
正しい操作
- ダイヤル表示を「2」にセットし、上部をはじいて空気を上に集める
- 針先を垂直(上向き)に立てて注入ボタンを最後まで押す
- 空気が出たあとにインスリンが出ることを確認する
5.単位設定
6.皮下注射(注入)
正しい操作
- 前回注射した場所から2~3cm離して注射する
- 注入ボタンを押し切ったまま数秒間(約6秒)おいてから、注入ボタンを押したまま針を抜く
- 注射後、ダイヤルが「0」に戻っていることを確認する
正しい操作
注入ボタンを押したまま抜針する
逆血によるインスリンの色の変化は、注入ボタンを離すタイミングに原因がある
- 注射針を抜く前に注入ボタンを離してしまうと皮下の血液が注入器の中に逆流する危険性がある
※インスリンを注入したぶん皮下のほうが内圧が高くなっているため - 血液の逆流が疑われる場合は、必ず新しいインスリンに交換する
※インスリンの効果が減弱するため
同一部位に注射を継続すると、皮下脂肪を形成しインスリンが効かなくなることがある
- 皮下脂肪肥大が生じると、その場所はインスリンが吸収されにくくなるため、必ず少しずつ部位を変えるよう指導する
- インスリンの吸収を早め、低血糖を起こすリスク
- 注射直後の入浴や運動
- ジョギングなどの足の筋肉を使う運動をする際の太ももへの注射
7.片付け
正しい操作
- インスリンは、必ず針を外して保管する
※注射針を付けたまま保管すると、薬液に気泡が生じたり、注射器の故障につながる
使用した針は、家庭ごみでは破棄できないため、かかりつけの病院に持っていき破棄してもらう
※ペットボトルなど、蓋付きの容器にまとめて保管しておくと良い
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