悪性高熱症への対応
悪性高熱症への対応【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年10月1日
最終更新日:2019年06月03日
(変更日:2019年9月26日) ※
目的
- 致死的合併症であるため、病態を理解し速やかに対応する
病態
- 骨格筋の熱産生増加による急激な体温の上昇が、全身麻酔中や術後に起こる
- 筋骨格異常者・小児・若い男性に多く、常染色体優性遺伝といわれている
- 吸入麻酔薬・サクシニルコリン(筋弛緩薬)が引金となり発症する
- 発症率(小児1/10,000~1/15,000、成人1/40,000)と絶対数としては少ないが、一度発症すると致死的合併症となる
術前に家族暦の有無を必ず確認しておき、リスクがあると判断された場合は、対応について麻酔科医に確認しておく
診断基準
A)温度基準
- 40度以上、または体温が38度以上体温上昇率が15分で0.5度以上、もしくは1時間に2度以上
B) 臨床症状
- 原因不明の頻脈・不整脈・血圧変動、重篤な呼吸異常(呼吸性・代謝性アシドーシス)
- 筋硬直
- 赤褐色尿(ミオグロビン尿)、血液の暗赤色化、高カリウム血症
- 異常な発汗、異常な出血傾向
劇症型: A にいくつかの B をみたすもの
亜型: A は満たさないが、いくつかの B はみられるもの
対応
- 引金となる麻酔薬を直ちに中止し、純酸素による過換気を行う
- ダントロレンの投与
- 初回投与1~2mg/kgを10~15分かけて静脈注射
- 20mg/Vを60mlの蒸留水で溶解不整脈の治療
- 応援を呼び、麻酔科医とともに対応にあたる
- 冷却:氷による冷却、輸液、洗浄、体温管理装置で冷却を図る
- 検査:検体の採取
- その他の対処方法
ダントロレン:ダントリウムは可能な限り手術室に定数として管理する
ダントロレンは使用頻度が低い薬剤のため、使用期限に注意する
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
新型コロナウィルス感染症(COVID-19)に関しては本記載内容とは対応が異なりますので、必ず各病院ごとに作成されている感染症ガイドラインに従ってください。
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