手術中大量出血時への対応
手術中大量出血時への対応【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年10月1日
最終更新日:2019年06月03日
(変更日:2019年9月26日) ※
目的
- 手術中大量出血時、医師と協力して大量出血による心停止を防ぐことができる
- 大量出血を起こすリスクが高いと予測されるもの
- 一般外科・消化器外科
- 一般の開腹手術(特に緊急手術で患者の状態把握が不十分な場合)
- 肝切除術
- 膵臓・胃・胆嚢などの癌で癒着が強い場合など
- 整形外科
- 脊椎手術
- 脊椎手術などターニケットが使用できない部位で、骨を削る事が予測される手術
- 外傷による動脈損傷
- 骨盤骨折
- 心臓血管外科
- 産婦人科
- 前置胎盤による帝王切開、胎盤早期剥離による緊急帝王切開など
帝王切開の場合、止血が困難である場合は子宮摘出に移行する場合もある
方法
人員を確保する
- 周術期死亡原因の半数を出血が占めている(日本麻酔科学会より)
- 輸血や検査などを速やかに行うために、麻酔科医や看護師の人員を確保することが重要
役割分担を決める
- 麻酔科医がリーダーシップをとることが多い
- ルートの確保・出血量のカウント・輸血のオーダーや照合・血液検査の提出などが同時に行われる
- 集まったスタッフに対し役割を決め、各人が速やかに役割を果たすようリーダーシップをとる
- 役割例:清潔分野への予備物品(ガーゼ・糸類などの清潔物品)を出す、ルートの準備および確保、出血量カウント、輸血対応、検査対応、記録係など
それぞれの役割がしっかり行えないと、麻酔科医・執刀医など医師との連携もとりにくくなる
- それぞれの役割は確実に行い、記録もしっかり残すことが重要
バイタルサインの変化に注意する
- 大量出血時は、血圧低下・頻脈・心拍数増加・SpO2低下をきたす
- 下腹部の手術では、心臓や脳への血流を維持する目的でベッドをヘッドダウンすることがある
ガーゼカウントを確実に行う
- 大量出血時は、大量のガーゼを使用することがあり、圧迫止血目的で腹腔内にしばらくガーゼを入れたままにすることがあるため、外回り看護師と協力し、閉創時には確実にガーゼカウントを行い、残留ガーゼの枚数・部位については確実に把握すること
腹腔内などにガーゼを残したまま帰室する場合は、枚数および挿入(留置)部位について必ず記録し、病棟へも確実に申し送ること
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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