術後離床時の合併症とケアのポイント
術後離床時の合併症とケアのポイント【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年12月26日
最終更新日:2020年08月21日
(変更日:2020年9月1日) ※
目的
- 術後離床時の合併症とケアを理解し、早期離床を安全に促すことができる
早期離床の重要性
- 呼吸器合併症を予防する
- 術後は創痛などにより横隔膜の動きが抑制される
- 早期離床をすることで、横隔膜が下がり肺胞でのガス交換が促進され無気肺を予防する
- 術後は痰をうまく出せず肺炎を起こすことがあるが、早期離床をすることで呼吸運動を促し気道内分泌物の排出を促す
- 循環合併症を予防する
- 早期離床をすることで静脈のうっ滞を防ぎ、深部静脈血栓症や肺血栓症を予防する
- 消化管合併症を予防する
- 胃切除や腸切除では、腸の蠕動運動が一時的に停止する術後腸管麻痺が起こる
- 早期離床をすることで、腸の蠕動運動を促し腸管麻痺からの回復を早める
離床時の合併症
- 起立性低血圧
- 起立時に血圧調節反射が正常に働かず、立ちくらみや失神を起こすことがある
- 肺血栓・塞栓症
- 深部静脈血栓症や肺血栓症を起こした場合、突然の呼吸困難・胸背部痛・頻脈・SpO2低下・失神・意識レベルの低下・ショックなどがみられる
- 重症な場合は、致死的になることがある
- 不整脈
- 術後乏尿期は循環血液量の不足により頻脈になりやすい
- 術後利尿期は低カリウム血症により心室性期外収縮(PVC)を起こしやすく、進行すると心室頻拍(VT)を起こす可能性がある
ケアのポイント
- 起立性低血圧
- 術後の離床は急に起こすのではなく、段階的に進めていく
- 特に、端座位で下肢を下垂させるとき、立位になるときは注意をする
- 初回離床時は必ず看護師が付き添う
- 起立性低血圧の症状が出現した場合は、すぐに臥床を促しバイタルサインを確認する
- 肺血栓・塞栓症
- 初回離床時は必ず看護師が付き添い、心電図モニター・SpO2の監視を行う
- 肺血栓・塞栓症の症状が出現した場合は、ベッド上安静としバイタルサインを確認、医師に報告する
- 呼吸状態により、酸素投与や気管内挿管による呼吸管理が必要な場合があるため、速やかに準備を行う
- 不整脈
- 初回離床時は必ず看護師が付き添い、心電図モニターの監視を行う
- 不整脈が出現しやすい状況での活動負荷時は注意する
離床の進め方
- ベッド上での運動
- 深部静脈血栓症の予防のため足関節の屈曲・伸展運動は麻酔覚醒時より開始する
- 頭部挙上
- 30度位から開始し、バイタルサインの変動がなければ90度まで挙上する
- ドレーンやチューブを引っ張っていないか注意する
- 端座位
- 90度頭部挙上でバイタルサインの変動がなければ下肢を垂らし端座位をとる
- 患者の背部を支え
ドレーンやチューブが抜けないよう注意する
- 立位・足踏み
- ゆっくり立位になり、その場で足踏みを促
転倒に注意する
- 歩行
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実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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