フットケアの基本

目的

• 靴ずれや胼胝・鶏眼・外反母趾などのケアを通して予防的に介入し、足のハイリスク疾患を持つ患者の、下肢切断などを回避することができる

看護師が行うフットケア

• 爪切り、胼胝・鶏眼の処置
• 創傷処置
• スキンケア（保湿など）および角質コントロールのケア
• 自己で行うフットケア方法の指導
• 靴の選び方・扱い方の指導、インソールや足に優しい靴を扱っている店舗の紹介
• 義肢装具士の紹介
• 他科との連携・紹介

足のアセスメント

• 足病変は、以下の4つのポイントに問題が生じ複雑な病態となっていることが多い

1. 皮膚
2. 血流
3. 神経系
4. 筋・骨格系の構造と働き

• 現病歴や手術の既往・栄養状態・体位変換の状況・活動域・可動域・現在行っているスキンケアなどの情報もアセスメントする上で重要である

足の皮膚と爪のケア

看護師が介入する医療的フットケアの適応

1. 末梢神経障害（糖尿病に多い）
2. 下肢静脈性疾患・下肢静脈瘤
3. 下肢動脈性疾患・血流障害（閉塞性動脈疾患・血液透析）
4. 足変形（変形性膝関節症・関節リウマチなど）
5. 胼胝・鶏眼（いわゆるタコ・ウオノメ）
6. 足潰瘍（既往も含む）
7. 爪の変形・身体機能の問題で自分で爪が切れないなど

観察と評価

皮膚の色

• 血流障害・・・暗紫色
• 慢性動脈閉塞症・・・青紫色
• 急性動脈閉塞症（壊死）・・・黒色
• 急性動脈閉塞症（静脈うっ滞性）・・・蒼白（下肢挙上）・うっ血性紅斑（下肢下垂）
  感染・・・赤色

皮膚の温度

• 血流障害・・・冷感・足趾にチアノーゼを伴う冷感
  ※糖尿病患者の場合、足底にほてりを感じることがある

足の観察

• 趾間や足趾裏側に傷がないか注意深く観察する
• 足底に胼胝・鶏眼がある場合、記録に残し継続して観察していく
• 胼胝・鶏眼は足の変形が原因のこともあるため歩行状態や靴との関連を確認する

爪の観察

• 爪の形・色・変形・炎症の有無などを観察する

神経障害の評価

• タッチテスト、128Hzの音叉による振動知覚検査、アキレス腱反射などで評価する

歩行状態の評価

• 歩行時の骨盤の偏り・すり足歩行・蹴り出し方などを、実際に歩いてもらい観察する
• 間歇性跛行がみられる場合は、脊柱管狭窄症との鑑別が必要となる

足のケア

予防的フットケア

• 胼胝・鶏眼や足潰瘍等の場合、ケアによって一旦は治癒しても、その原因を除去しなければ再発を繰り返す
• 日常生活の指導を含め、患者や家族に足の大切さを理解してもらえるよう指導することが重要である

爪のケア

• 正しい爪の切り方（スクエアカットなど）を指導する
• 巻き爪の処置や、肥厚した爪の処置を行う

胼胝・鶏眼のケア

• 胼胝・鶏眼は、主にその部分に圧力が集中していることが原因で発症する
• 足の関節の変形がないか、靴があっているか、歩行の姿勢などを確認する
• グラインダーやコーンカッター・ニッパーなどを用い、健常な皮膚を傷つけないよう、細心の注意を払いながら削る