手術患者の術前準備1 絶飲食

手術患者の術前準備1 絶飲食【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2013年12月10日
最終更新日:2018年11月05日
(変更日:2019年10月28日) ※

目的

  • 術前の絶飲食の目的を理解し、患者が絶飲食を守れるよう援助することができる

絶飲食とする理由

  • 全身麻酔時は、全身の筋力が弛緩するため、嘔吐してしまうことがある
  • 誤嚥性肺炎(吐物が肺に入ることにより起こる肺炎)や、窒息をふせぐため、術前には絶飲食を行う

留意点

  • 絶飲食の指示は、担当医師または麻酔科が依頼する
  • 成人では、8時間以上の絶食と6時間以上の絶飲が一つの目安である
  • 最近では清澄水(水・お茶・果肉を含まないジュース・コーヒーなど)の摂取は年齢を問わず2時間前まで許可している施設もある
    ※日本麻酔科学会の術前絶飲食ガイドライン(2012)に基づいている
  • 母乳の摂取は麻酔導入4時間前、人工乳・牛乳は6時間前まで安全とされている
  • 理解不十分の患者に対して、絶飲食が守れるよう関わることが重要である
緊急手術などで絶飲食が出来ていない場合は、最終飲食時間を確認し、手術室に申し送る

手順

  1. 絶飲食の指示は、担当医師または麻酔科が行う
  2. 指示書・チェックリストに記載されているか確認する
  3. 指示内容を看護計画として立案する
  4. 患者の理解度に合わせ、絶飲食の必要性を説明する
  5. ベッドサイドに絶飲食の内容を掲示する
  6. 指示通りに食事および飲水を停止しているか確認する
患者が絶飲食指示を守れていなかった場合、全身麻酔に伴う事故を防止するため、必ず手術室へ申し送る
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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