用語解説
用語の読み
ぺいと
用語の意味
PEIT(Percutaneous-Ethnol-Injection-Therapy)は日本語での名称を経皮的エタノール注入療法(けいひてきえたのーるちゅうにゅうりょうほう)といい、アルコール注射とも言われています。
転移していない肝臓がんに対して有効な治療法であり、癌の患部に専用の管を通し、直接100%のエタノール(高純度のアルコール)を注入し、癌細胞を殺してしまうという方法を取ります。
細胞は純度の高いアルコールに触れると壊死してしまうところからの治療法です。手術のための切開が必要なく、身体への負担がかからないため、癌治療の大掛かりなイメージとは異なり、比較的手軽に行える利点がこの治療の特徴でもあります。
しかし上記の通り、
- 転移していない事(癌の大きさは3センチ以下・3個以下が基準)
- 肝臓がんに限られる事
と制限されてくるうえ、治療に適している大きさは2センチ以下ですが、ここまで小さくなってしまうと、アルコールと癌との接触がなかなか難しく、治療成果が落ち、一部の癌が残ってしまうことが欠点としてはあげられます。
この治療に関しては、必要に応じてアルコール注射を繰り返すことで再発を防ぐ事が重要であり、そのためにエコーやCTで定期的に経過を診ることが大切になってきます。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
PEIT(ペイト)は1980年代の肝臓癌の治療法なので、今では古い治療法と言えるかもしれませね、しかし現在でも施行している所もあるようです。
同じ肝臓癌の治療に使われる方法でラジオ波焼灼療法(2000年以降)もありますね。
私は実際にこの治療を見た事はありませんが、治療時間は10分程度と短く、患者にとっては負担が少ないと言えるようですが、痛み止めを使用しても、施術中や施術後の痛みがかなり強く、中には激痛を訴える人もいるようです(肝臓に直接針を刺すので痛くないはずはないか…)また、副作用も少ないとは言われていますが、合併症等のリスクは高いようなので注意が必要です。
今ではより正確で合併症が少ない「ラジオ波焼灼療法」や「酢酸注入療法」の方がメインで行われている所が多いようですね。
肝臓癌の原因は肝炎ウイルス!が最も多く、看護師は針刺し事故等により発症してしまう例もありますので(私の知り合いにもC型になった人がいるので)お互い気を付けていきましょう。