コンパートメント症候群の予防とケア
コンパートメント症候群の予防とケア【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年2月6日
最終更新日:2018年11月28日
(変更日:2023年11月24日) ※
目的
- コンパートメント症候群のメカニズムを理解し、適切なケアを行える
コンパートメント症候群とは
- 筋膜・骨・骨膜などで囲まれた区画(筋区画)をコンパートメントとよぶ
- ある一定のコンパートメント内圧の上昇によって、その中の血流・組織灌流が障害されることがある
- このまま放置すると、神経・筋・血管・腱に不可逆的な機能障害や壊死をきたす病態をコンパートメント症候群という
不可逆的な機能障害や壊死であるため、一度起こってしまうと機能改善は望めない
- 前腕のコンパートメント症候群の後遺症としてフォルクマン拘縮がよく知られている
好発部位
- 上肢:前腕(拳側・橈側・背側コンパートメント)
- 下肢:下腿(前方・深後方・浅後方・外側コンパートメント)
発生原因
- 前腕:外傷(上腕骨顆上骨折・前腕骨骨折・肘関節脱臼)
不自然な肢位での長時間圧迫など - 下腿:下腿骨折・打撲・強い捻挫・腓骨筋断裂など
術後のコンパートメント症候群
- 整形外科領域での術後に、コンパートメント内への術後出血などが原因でコンパートメント症候群をきたすことがある
- 過度の手術操作
- 骨髄内のリーミング操作(掘る、削るなどの手技)
- 筋膜や皮膚に無理な緊張のかかる創閉鎖
- 術後早期の患肢下垂は血液やリンパ液の循環を阻害しコンパートメント症候群をきたす誘因となる
臨床症状
- 患部の著明な腫脹、水疱
- 疼痛の増強:圧が上昇して障害された筋肉を他動的に伸展すると疼痛が誘発される
- 当該神経の知覚・運動障害
- コンパートメント内圧計測値が30mmHg以上という状態が持続する(50mmHg以上は緊急手術適応)
- 症状が進行した場合、障害されたコンパートメントより末梢での動脈拍動が低下する
治療
経過観察
- 神経症状や機能障害がなく、疼痛・腫脹が軽度であれば、慎重な経過観察を行う
- 細動脈循環が保たれるように患肢を挙上し、局所の冷却を行う
手術
- 障害が起きているコンパートメントを覆う部位の、筋膜切開術を施行し、除圧を図る
- 前腕では、屈筋群の筋膜切開と同時に手根管開放を行う
- 下腿では、前方・深後方・浅後方・外側コンパートメントの筋膜切開を行う
- 開放創のまま減圧をはかる場合、頻回のガーゼ交換や感染予防への配慮が必要となる
筋肉は6~8時間の疎血で不可逆的な変化をきたすため、診断が確定すれば早急に治療(場合によっては緊急手術)を行う必要がある
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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