目的
- スワンガンツカテーテルの仕組みについて理解し、挿入介助ができる
スワンガンツカテーテルを挿入する目的
- 肺動脈内にカテーテル先端を留置し、心拍出量、静脈系・右心房・右心室・肺動脈の圧を測定する
- 心機能や心不全の評価を行う
必要物品
- スワンガンツカテーテル
- 穿刺針
- 三方活栓、イントロデューサー
- ガイドワイヤー
- モニターキット・トランスデューサー
- 加圧バック
- 生理食塩水(冷凍したもの)
- ヘパリン、ヘパリン注入用の生理食塩水
- 滅菌術衣、滅菌手袋、滅菌ドレープ
- 消毒セット、局所麻酔薬、各種シリンジおよび注射針
- 縫合セット
※これらの物品は、医療機関によってセット化されている場合もあるため、医療機関ごとのマニュアルに従う
- 心拍出量測定装置
- 心電図モニター(挿入中に現れる不整脈を確認する)
- 緊急時の薬剤、除細動器など
スワンガンツカテーテル挿入時のポイント
患者への説明
- 挿入の必要性と挿入後の安静度などを説明し、理解と協力を得る
- 挿入時の体位(仰臥位)、所要時間、挿入の流れについて説明する
- 挿入中は痛みがあっても、不意に動くと危険であることを説明し、理解と協力を得る
挿入の介助
- 挿入の手技は医師が行うため、必要物品などを準備する
- 仰臥位となり、右鎖骨下静脈周囲など、穿刺部位周辺を露出させる
- 局所麻酔後、スワンガンツカテーテルを内頚静脈、鎖骨下静脈、外頚静脈、上腕静脈、大腿静脈などから挿入する
- カテーテルの先端が胸腔内の血管に入ったところでバルーンを膨ませると、血流に乗って、上大静脈、右心房、右心室、肺動脈と進む
- 止ったとこが肺動脈への入り口になるため、肺動脈楔入圧が測定される
- 熱希釈法による心拍出量測定を行う場合:半解凍させた生理食塩水を注入する
- 血流と混ざり、右心室から肺動脈へ流れ、サミスターが感知した血液の温度変化を読み取る
- これを2~3回繰り返し、その平均値をとって、おおよその心拍出量を算出する
- X線検査を行い、先端の位置を確認する
- 挿入部を縫合し、ガーゼなどで保護し、固定用テープでしっかり固定する
ケアのポイント
- スワンガンツカテーテル挿入時は、患者の協力も必要となるため、常に的確な声掛けを行う
- 挿入の手技に伴い、不整脈が出現することがあるため心電図のモニタリングを行う
- 合わせて、緊急時の薬剤、除細動器を予め準備し、使用可能な状態にしておく
- 挿入前後でバイタルサインの測定を行い、記録する
- 挿入部位の発赤、腫脹、疼痛、浸出液の有無などを確認し、感染兆候の早期発見に努める