負荷心筋血流シンチグラフィの介助
負荷心筋血流シンチグラフィの介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年10月14日
最終更新日:2018年05月28日
(変更日:2014年10月2日) ※
目的
- 負荷心筋血流シンチグラフィの介助について理解を深め、適切な介助ができる
検査の概要
- 心筋に流れている血液の分布状況を観察することができる
- 狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患、心筋症などに有用である
方法
テクネチウム心筋製剤の使用による検査
負荷像撮影後に安静像撮影を行う場合
- 検査開始時、薬剤負荷あるいは運動負荷をかける
- 負荷がかかったことを確認できた段階で、放射性医薬品を静注する
- 30分~1時間の待機中に肝臓・胆嚢系からの排出を促す目的で、牛乳あるいは食事を摂取してもらう
- 待機時間終了後、撮影を開始する
- 再度、1~2時間待機してもらう
- 放射性医薬品の静注を行う
- 再び、30分~1時間の待機を行ってもらい、肝臓・胆嚢系からの排出を促す目的で牛乳あるいは食事を摂取してもらう
- 2回目の撮影を行う
安静像撮影後に負荷像撮影を行う場合
- 放射性医薬品を静注する
- 30分~1時間の待機中に肝臓・胆嚢系からの排出を促す目的で牛乳あるいは食事を摂取してもらう
- 待機時間終了後、撮影を開始する
- 再度、1~2時間待機してもらう
- 薬剤あるいは運動負荷をかける
- 負荷がかかったことを確認できた段階で、放射性医薬品を静注する
- 再び、30分~1時間の待機を行ってもらい、肝臓・胆嚢系からの排出を促す目的で牛乳あるいは食事を摂取してもらう
- 2回目の撮影を行う
201TICI(塩化タリウム)の使用による検査
- 検査(2回目の撮影)終了まで絶飲食とする
- 検査開始時、薬剤あるいは運動負荷をかける
- 負荷がかかったことを確認できた段階で、放射性医薬品を静注する
- 撮影を開始する
- 2回目の撮影まで3~4時間程度、待機してもらう
- 2回目の撮影を行う
アセスメント
- 201TlClは、胃や肝臓にも集まる性質があり、心臓に付近の臓器に強い集積が認められると正常な画像が得られなくなる危険性があるが、検査前の絶飲食により、胃や肝臓に201TlClが取り込まれるのを少なくすることが可能となる
- 薬剤を使用して負荷をかける場合、検査開始の12時間前から、負荷薬の効果を抑制するカフェインを含有する飲料(コーヒー、日本茶、紅茶、チョコレート、コーラなど)を摂取しないよう説明する
- 放射性医薬品が心筋に集積する量は冠動脈の血流に比例する
- 安静時では、9割以上が虚血状態になっていた場合でも、異常が認められないことがある
- 負荷をかけることにより、心筋の正常な部分と虚血がある部分において、血液の流れに格差の拡大が見られ、より鮮明に虚血している部分が欠損像として現れる
運動負荷
- 血圧や心電図を観察しながらトレッドミルあるいは自転車エルゴメーターで運動負荷をかける
- 胸痛の出現、心電図におけるSTの変化、目標心拍数に達した際などのタイミングで放射性医薬品を静注する
薬剤負荷
- 一般的な負荷薬剤として冠拡張薬であるアデノシンあるいはジビリタモールを使用する
- アデノシンで負荷をかける場合、直接、アデノシン三リン酸を投与して血中濃度を上げる
- ジビリタモールで負荷をかける場合、アデノシン三リン酸の血球などから取り込みを抑えることでアデノシン三リン酸の血中濃度を上昇させる
- これらの薬剤は、冠動脈の拡張作用があり、疑似的な運動状態を作り上げる
禁忌
薬剤負荷の場合
- ジビリタモールやアデノシンにアレルギーがある患者
- アデノシンを使用する場合
- Ⅱ度~Ⅲ度の房室ブロック(ペースメーカーが挿入されている場合を除く)
- 気管支攣縮性肺疾患(喘息など)
- 著明な症候性の洞性徐脈あるいは洞不全症候群(ペースメーカーが挿入されている場合を除く)
- 心不全の代償不全状態
- QT延長症候群
- 薬物治療を行っても症状が安定化しない不安定狭心症
- 著名な低血圧
運動負荷の場合
- 絶対禁忌
- 重症あるいは急性心不全
- 急性肺塞栓または肺梗塞
- コントロールが不良の不整脈
- 症候性高度大動脈弁狭窄
- 不安定狭心症あるいは急性心筋梗塞発症初期
- 重篤な血管病変(解離性大動脈瘤など)
- 心膜炎あるいは急性心筋炎
- 相対禁忌
- 左冠動脈主幹部の狭窄
- 重度の高血圧
- 高度の房室ブロックや電解質異常
- 流出路の狭窄(閉塞性肥大型心筋症など)
- 中等度の狭窄性弁膜症
- 徐脈性あるいは頻脈性不整脈
- 運動負荷がかけられない身体的または精神的障害
注意点
- 薬剤・運動負荷ともに、稀ではあるが重篤な不整脈など危険な症状が出現することがある
- 除細動器などの救急物品をあらかじめ準備し、医師が立ち会うことが望ましい
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