胃透視の介助

胃透視の介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年10月21日
最終更新日:2019年06月03日
(変更日:2019年9月26日) ※

目的

  • 胃透視の介助について理解を深め、適切な介助を行う

検査の概要

  • 胃の中に造影剤を注入した状態のままX線を照射することにより、造影剤が流動している状態を確認できる
  • 消化器外科の場合、狭窄などによって生じる通過障害や、術後の吻合部縫合不全の有無を確認する目的で多く行われている
  • 胃切除術後は、経口摂取の開始時期を決定することができる
  • 胃透視の撮影方法には、充満法、二重造影法、圧迫法の3種類がある
    • 充満法:胃の上の部分まで造影剤を内服した後、撮影を行う
    • 二重造影法:造影剤を少量のみ内服した後、さらに発泡剤を内服し撮影を行う
    • 圧迫法:造影剤を内服した後、外部より圧迫を加えてから撮影を行う

必要物品・準備

  • バリウム
  • ガストログラフイン®経口・注腸用(アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン)
  • ガスコン®ドロップ内服液2%(ジメチルポリシロキサン)
  • X線診断二重造影用発砲剤
  • ブスコバン®注20 mg(ブチルスコポラミン臭化物)
  • シリンジ・注射針(23G)
  • アルコール綿
  • 固定用テープ
  • ディスポーザブル手袋
  • 胃管
  • 紙コップ
  • 検査着(防護服)
  • マスク

方法

検査前

  • 使用する予定の薬剤に対し、アレルギーの有無を確認する
  • 検査前後のスケジュールや準備などについて患者に説明を行う
  • 検査前日の夕食後から絶食とする(飲水に関しては検査時間によっても変動があるため、内服薬を含めて医師から指示が出る)
  • 当日は検査の流れを再度説明後、検査着に更衣してもらう(金属類は外してもらう)
    検査は10~30分程度で終了することを説明する

検査時

  • 検査台に移動してもらい、発泡剤を内服して胃を膨満させ、造影剤を内服しても らう
  • 患者にベッドが動くことを説明し、転落防止のためにベルトを装着する
  • 造影剤が胃粘膜にまんべんなく付着するよう、体位を変換しながら撮影する
  • ドレーンや点滴ルートなどが挿入されている場合、検査中に絡まないように注意する
  • 薬剤投与後はアレルギー症状を観察する
前立腺肥大による排尿障害、緑内障による症状、甲状腺疾患などがある場合、抗コリン作用のあるブスコパン®(ブチルスコポラミン臭化物)は禁忌である

検査後

  • 医師に使用した薬剤を確認し、記録する
    • 使用した薬剤により、異なった副作用症状が出ることがある
  • 抗コリン作用のある薬剤を使用した場合、喉の渇きや眼調節障害等が現れやすいので、自動車の運転は控えるように説明する
  • 検査の結果次第では、経口摂取指示が変更になる場合もあるので、医師に確認を行う
  • バリウム使用後は下剤を内服し、排便状況を観察し、バリウムの排出を促すことが必要

アセスメント

  • 造影剤投与の方法は 経口摂取だけでなく胃管や胃痩から注入することもある
  • 胃透視では胃の噴門・幽門狭窄、形態異常、胃腫瘍あるいは閉塞術後の縫合不全通過障害の有無がわかる
  • 造影剤は基本的にガストログラフインR(アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン)あるいはバリウムを使用するが、バリウムの場合、便秘や腸閉塞を起こすリスクがあるため、多くの場合はガストログラフインが選択されているが下痢症状などの副作用が起こりやすい
  • バリウムを使用する場合はバリウムの腸内残留を防ぐため、下剤の内服が必要となる
    • 造影に使用する薬剤がわかった時点で、検査後の排泄トラブルが生じる可能性があることを患者に説明する
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