注腸造影の介助

注腸造影の介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年10月22日
最終更新日:2018年06月12日
(変更日:2014年10月2日) ※

目的

  • 注腸造影の介助について理解を深め、適切な介助を行う

検査の概要

  • 注腸造影は、大腸ポリープ、大腸癌、炎症性疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)などの診断に有用である
  • 造影により大腸全体の観察ができ、狭窄部位の特定や微細な病変を発見することが可能な検査である
大腸狭窄・穿孔や造影剤アレルギーがある場合、バリウム®の使用は禁忌である

必要物品・準備

  • 検査着
  • 検査用トランクス
  • 処置用シーツ
  • バスタオル
  • 加圧ポンプ
  • アルコール綿
  • 注射針(23G)
  • シリンジ(2.5ml)
  • 注射用バリウム®浣腸
  • ガストログラフイン®経口・注腸用(アミドトリゾ酸ナトリウムメグルミン)
  • ブスコパン®注20 mg (ブチルスコポラミン臭化物)
  • ディスポーザブル手袋
  • マスク
  • X線プロテクター

方法

検査前

  • 検査前日より低残渣食(大腸検査食)とし、下剤の内服を行う
  • 食事は検査前日21時までとし、それ以降は絶食とする
医師の指示に基づいて使用する下剤は、主にマグコロール®P (クエンマグネシウム)、ラキソベロン®(ピコスルファートナトリウム水和物)、プルゼニド®(センノシド)である
状況に応じて検査当日の朝に、グリセリン®浣腸を行う場合もある
  • 検査前日まで定期薬は普通通りに内服する
  • 検査当日は医師の指示によるが、当日内服する場合は起床後早めの内服とする
  • 下剤使用による変化などを説明し、不安の軽減につとめる
    • 排便は次第に水様へと移行し、徐々に透明色に近づく
    • 何度も便意をもよおし、苦痛を伴いやすい
  • 検査当日は、消化液の分泌や腸の蠕動運動を抑制する目的で、鎮痙薬のグルカゴン®あるいはブスコパン®を筋注する
ブスコパン®は、心筋梗塞・前立腺肥大症・緑内障・甲状腺疾患のある患者には禁忌
グルカゴン®は、急激な血圧上昇の恐れがあるため褐色細胞腫の患者には禁忌
グルカゴン®の筋注後90分程度で低血糖症状が出る場合がある

検査中

  1. 検査台の上で左側臥位になってもらう
  2. カテーテルを肛門から挿入する
  3. 1.5L程度の空気で大腸内を膨らませながら、バリウム®を約400ml注入する
  4. 左側臥位→腹臥位→左側臥位→仰臥位へと体位変換を適宜繰り返し、空気を入れるとともに左側結腸までバリウムを送る
  5. 結腸全体を撮影する(二重造影)
  6. バリウムを有効に流すため、検査台を動かしながら撮影する
  • 検査中はできるだけ口呼吸をするよう促す
  • 適宜、声掛けを行う
  • スコープ挿入時に便意を感じることがあるが、可能な限り我慢するよう説明する
  • 空気の注入により腹部膨満感が出るが、空気は数時間で排出されることを説明する
  • 羞恥心や苦痛を伴うことが多いため、十分に配慮する
  • 検査台からの転落に注意する
バリウム®の懸濁液は不溶性が強く、消化管からは吸収されにくいため、大腸癌やイレウスなどによる大腸の通過障害、痩孔の形成がある場合は、水溶性のガストログラフィン®を使用する
ガストログラフィン®は、イレウス管未挿入のイレウス患者や、誤嚥のリスクが高い場合は禁忌である

検査後

  • 肛門付近にある空気とバリウム®を排出後に、チューブを抜く
  • バリウム®は、長い間腸内に停滞していると固まる性質がある
    • 排出困難になりやすいため、水分摂取を勧める
    • 場合によってはプルゼニド®やラキソベロン®などを内服する
  • 検査は白いバリウム便が排出される
  • 普通便へと移行したかを確認する
  • バリウム便の排泄がみられない場合や、腹痛を生じた場合は速やかに医師へ報告する
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