髄液とドレーンの関係
髄液とドレーンの関係【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年10月28日
最終更新日:2018年09月25日
(変更日:2018年11月30日) ※
目的
脳脊髄液(髄液)とは
- 外部や内部の刺激から脳と脊髄を守るため、クモ膜下腔に存在する100~150ml程度の液体である
- 脳脊髄液は、側脳室において450~500ml/日程度の量が産生され、モンロー孔→第三脳室→中脳水道→マジャンディ孔 (正中)やルシュカ孔 (両側)を経由してクモ膜下腔に達し、役目が終了すると上矢状静脈洞へと吸収される
脳脊髄液の働き
- 脳自体を保護する
- 代謝産物を運搬する
- 脳実質との物質交換を行う
- 酸・塩基平衡(髄液中の電解質・炭 酸ガス濃度)から、呼吸機能へ影響を及ぼす
脳脊髄液の正常所見
- 外観:水様透明
- 髄液圧:坐位では150~ 200 mmH20、臥位では100~150mmH20
- 細胞数:0~3/mm3
- 糖:血糖値の1/2~1/3
- タンパク:10~40mg/dL
- クロール: 120~150mEq/L
ドレーンとは
- ドレーンは「体内にある浸出液や血液などを体外に誘導して排出する管」のことを指し、「閉鎖式」と「開放式」がある
- ドレナージは「ドレーンを使用して浸出液や血液などを体外に排出する」ことを指し、重力、陰圧をかけての吸引、毛細管現象の3つの原理を利用して行われている
※毛細管現象:液体に細い管を立てると、液体が管内に吸い上げられる現象 - 脳神経外科領域では、圧コントロールしやすく、感染予防の面でも優れている、閉鎖式ドレーンが使用されることが多い
- 髄液の排出を目的としたドレナージの場合は、髄液の逆流やオーバードレナージに注意し、圧の設定や管理を慎重に行うことが重要
髄液ドレナージの種類と目的
脳室ドレナージの目的
- 脳圧コントロール、脳圧測定
- 脳出血・クモ膜下出血・脳腫瘍術後の水頭症予防
- 急性水頭症になった時の髄液排除
- 人工髄液・薬液の注入
脳槽ドレナージの目的
- 髄液と共にクモ膜下腔にまで拡大した血液を体外に排出し、脳血管攣縮の軽減・予防を図る
腰椎ドレナージの目的
- 腰椎のクモ膜下腔までドレーンを挿入し、髄液を排出する
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