心電図の判読4 虚血性変化の有無
心電図の判読4 虚血性変化の有無【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年10月29日
最終更新日:2018年09月25日
(変更日:2018年11月30日) ※
目的
- 心電図における虚血性変化の有無について理解を深める
Q波の異常
- Q波以上の定義:V1~V4にQ波が出現、Q波の幅が1mm以上、R波の1/4より大きい
- 異常Q波は心筋壊死(貫壁性の心筋梗塞)で特徴的にみられる
- 心筋梗塞以外に心筋症、心筋炎、アミロイドーシスなどでも起こる
U波の異常
- U波の急激な上昇は低カリウム血症で認められることが多い
- 陰性U波は左前下行枝領域の虚血や左室肥大で認められることが多い
ST変化、T波の異常
- STの上昇が認められる誘導の反対側(前壁に対しては下壁)においては、逆方向の電流を反映し、ST低下がみられる(鏡像という)
- 心筋虚血により、傷害電流が以下のように変化することで起こる
- 興奮・回復期(Q-T部分)には健常部から虚血部へと流れる
- 静止期(T-Q部分)には虚血部から健常部へ流れる
- 心内膜下の虚血ではST低下(下降)、貫壁性虚血の場合はSTの上昇が見られる
- 虚血が起こった後は、陰性T波が認められることが多い
ST上昇
- プラス偏位が、基線の部分より、胸部誘導で2mm(0.2mV)以上、肢誘導で1mm(0.1mV)以上になった場合をST上昇という
上昇の程度が軽度の場合に疑われる病態
上昇の程度が高度の場合に疑われる病態
ST下降
- マイナス偏位が、基線の部分より0.5~1mm (0.05~0.1mV)以上になった場合をST下降という
- 左室肥大、心筋症、低カリウム血症、キニジンやジギタリスなどの薬物服用時にみられることがある
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