腎性高血圧患者への対応
腎性高血圧患者への対応【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年11月4日
最終更新日:2018年09月25日
(変更日:2018年11月30日) ※
目的
- 腎性高血圧患者への対応について理解を深め、適切なケアを行う
疾患の概要
- 腎性高血圧は二次性高血圧の一種である
- 腎血流量が腎動脈の狭窄によって低下する
- 腎臓の傍糸球体細胞(JG細胞)からのレニン分泌が亢進する
- 結果的に高血圧を生じたものである
- 腎血管性高血圧の原因には線維筋性異形成、粥状硬化、大動脈炎症候群(高安動脈炎)が全体の8~9割を占める
- 30歳以下、または50歳以上で好発する
- 急速に発症または増悪する
- 治療抵抗性を示すこともある
診断
- 血液検査にてカリウム、アルドステロン値、PRA(血漿レニン活性)の上昇
- 腎血流ドプラ検査にて腎動脈の狭窄が認められる
スクリーニング検査
- MRA、CTA:腎動脈狭窄部の有無を確認
- カプトプリル負荷PRA:PRAの上昇
- レノグラム:排泄遅延、狭窄側のアイソトープの集積低下
確定診断
治療
- 第一選択として、バルーンカテーテルによる経皮的腎動脈形成術(PTRA)を行う
- 外科的腎血行再建術を行う場合もある
- 薬物療法としては、ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬、ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)、β遮断薬とCa拮抗薬との併用などを行う
アセスメント
- 発症あるいは憎悪が急速で(Ⅲ度高血圧)、治療に対し抵抗性を示す高血圧か
- 腎臓の大きさに左右差がある場合、腹部血管雑音の聴取(特に側腹部)、血清クレアチニン値の上昇(ARB、ACE阻害薬の投与開始後)などが認められるときは、腎性高血圧を疑う
- 好発年齢であるか
単腎症、両側腎動脈狭窄、腎機能低下がある患者には、急速に腎機能が悪化する危険性があるため、通常量のARB、ACE阻害薬を使用してはならない
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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