歩行器での歩行の援助
歩行器での歩行の援助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年11月6日
最終更新日:2018年12月01日
(変更日:2020年5月22日) ※
目的
- 歩行器での歩行の援助について理解を深め、適切なケアを行う
方法
姿勢
- 顔をまっすぐにして前方を見てもらう
- 床面に対して両肩が平行に、体幹が垂直になっていることを確認する
全体の動き
- 歩幅・歩調は可能な限り一定の大きさ・速度にしてもらう
- 身体全体の動きを確認する
- リズミカルな上下運動になっている
- 上下・左右への動きに対し、重心ができるだけ小さくなっているか
観察項目
- バイタルサイン(発熱、脈拍・血圧の異常など)
- 歩行に対する不安感の有無
- 上肢の運動能力の程度
- 正しい姿勢で歩行できているか
- 立位バランスや立位保持の状態
- 睡眠薬や鎮静薬などの内服の有無
アセスメント
- 歩行器は筋力の弱い患者、運動機能あるいは平衡感覚の協調性が悪い患者、体重負荷禁忌の患者、転倒の恐怖やリスクがある患者、高齢者などに有用な歩行支持器である
- 立位バランスが悪く、筋力が弱い場合でも、運動量の増加を図り、活動範囲を広げることが可能である
- 歩行が安定するまでは患者の腰部にベルトや紐などを巻き、背部から支えて安定性を確保する方法も必要に応じて取り入れる
注意点
- 歩行器は異常がないか定期的に点検を行う(車輪の動き、ネジなどのゆるみの有無など)
- スリッパは滑りやすいので、動きやすい運動靴など歩きやすいものを準備してもらう
- 患者が歩行器の使用方法を習得し、歩行状態が安定するまでは、目を離さないよう介助しながら見守る
- 立位バランスが悪い患者の場合、立位の際や移動の転倒には特に注意し、重力方向以外に押さないよう説明する
- 段差などに前脚や歩行器のキャスターが引っ掛かり、転倒することがあるので注意する
歩行器には大きくわけて固定型歩行器、交互型歩行器、前腕支持型歩行器があり、それぞれに使用方法が異なるため、リハビリスタッフへ確認する
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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