松葉杖での歩行の援助
松葉杖での歩行の援助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年11月6日
最終更新日:2018年12月01日
(変更日:2023年11月24日) ※
目的
- 松葉杖での歩行の援助について理解を深め、適切なケアを行う
方法(3点歩行の場合)
- 事前に医師や理学療法士と相談し、個々の障害程度に合った松葉杖と歩行パターンを選択する
- 荷重について医師の指示を確認しておく
- 松葉杖の点検(特にネジと杖先ゴムと)を定期的に行う
- 動きやすい履物や服装を用意してもらう
- スリッパは滑りやすく転倒の危険性があるため、避けるよう説明する
- 3点歩行を行う場合
- 両方の松葉杖を前に出してもらう
- 患側下肢を前に出し、健側下肢を出す
松葉杖介助の際、歩行が安定するまでは患者の腰部にベルトや紐などを巻き、背部から支えて安定性を確保する方法も必要に応じて取り入れる
観察項目
- バイタルサイン(発熱、脈拍・血圧の異常など)
- 歩行に対する不安感の有無
- 上肢の運動能力の程度
- 正しい姿勢で歩行できているか
- 立位バランスや立位保持の状態
- 荷重制限の指示が守られているか
アセスメント
- 松葉杖は、体重を支持しながらバランスをとる働きがあり、歩行の補助目的で使われている
- 松葉杖を2本した場合、片足だけでの歩行が可能なので、患側の下肢に荷重がかからない
- 歩行器と比較すると安定性は不十分だが、習得状況によっては屋外でも使用できるため、行動範囲の拡大が可能となる
松葉杖の種類
標準型松葉杖
- 1本あるいは2本で使用する
- 対麻痺、下肢骨折・切断後などの場合でも歩行パターンが多様にある
- 適応範囲が広く、使用方法に慣れればADLの拡大も可能である
- 松葉杖を2本使用した場合の歩行パターンは、大振り歩行、小振り歩行、4点歩行、3点歩行、2点歩行などがある
- 大振り歩行から 2点歩行までは両下肢障害者(対麻痺などの)で使用する
- 3点歩行は主に片側の下肢に障害がある人(整形外科疾患など)で使用する
前腕支持松葉杖(ロフストランド杖)
- 前腕を支えるカフ部と握り手でできており、前腕にカフ部を通して握り手の部分を握っている手を離した場合でも、腕から杖が離れないので安定性がある
注意点
- 腋窩当てに体重を乗せて体を支えようとすると、上腕神経叢麻痺を起こす危険性がある
- 腋窩当てが、つねに腋窩から3~4横指下の側胸部にくるように位置を直す
- 上肢が伸展する力を用いて支えるよう説明する
- 歩く範囲の床(ベッド周囲など)が濡れていないか、障害物はないかなどを事前に確認する
- 段差昇降時は上の段に杖がこないようにする(上の段に杖がくると、バランスを崩しやすいため)
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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