介達牽引の介助
介達牽引の介助【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年11月7日
最終更新日:2018年11月27日
(変更日:2017年2月1日) ※
目的
- 介達牽引の介助について理解を深め、適切なケアを行う
- 介達牽引は、関節の安静や拘縮に伴う変形を防止したり、骨折の転位の整復・固定や整復を容易に行うための準備を目的とする
- 牽引の力により、牽引されている方向に身体が移動するのを防止するために行われる対抗牽引がある
- 砂嚢や抑制帯などを用いたり、ベッドに傾斜をつけて固定を行う牽引法である
必要物品・準備
- 牽引用金具
- ブラウン架台
- トラックバンド
- 牽引用クランプ(上・下)
- フック(0.5kg)
- フレーム
- 重錘(医師の指示にあわせる)
- 弾性包帯
- 滑車
- ロープ
方法
- 牽引フレームを組み立て、縦フレームと固定用クランプをセットする
- 上クランプのレバーを手前に引いて、ベッド柵に固定する
- 縦フレームとベッドのギャッチレバーが、ぶつからない位置にあることを確認する
- 仰臥位・側臥位用の横フレームをセッティングし、滑車をつける
- 患肢に弾性包帯を用いて、トラックバンドを巻きつける
- 介助者は徒手牽引にて患肢を支え、患肢の皮膚面にトラックバンドのスポンジ面を当てる
- 末梢から中枢に向け、関節部を避けて、適度な強さで可能な限り長く巻く
- 腓骨頭の手前でトラックバンドを折り返す
- 水平方向に指示された重さで牽引を行う
- 下腿や大腿の下に小さな枕などを入れて、踵部や膝下動脈への圧迫を防止する
- フレームに下肢が当たったり、腓骨頭を圧迫しないよう、肢位に注意する
- 重鍾やロープなどが床やベッド柵に触れないよう注意しながら対抗牽引を行う
観察項目
- 冷感・浮腫の有無、爪の色や末梢の皮膚色
- 動脈の触知の有無(上肢:橈骨動脈、下肢:足背動脈)
- 疼痛、知覚鈍麻、しびれ感の有無
- 皮膚の水疱、発赤、びらんの有無
- 牽引の方向は正しいか
- 正しく肢位の保持がされているか
- 重錘の重さが指示通りになっているか(牽引力は2~3 kgが限界)
- ロープや重錘の接触の有無
- 対抗牽引が効果的に行われているか
アセスメント
- 過度の安静により筋力低下や関節拘縮が引き起こされるため、健側の運動、指先の運動、患肢の筋肉の等尺性収縮運動を医師の許可の範囲内で行う
注意点
- 床やベッド柵、布団などに ロープや重錘や接触している場合、効果的に牽引されないので注意する
- 下肢の牽引の場合、外旋位になりやすいので腓骨神経麻痺が出現する危険性がある
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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