股関節脱臼の予防
股関節脱臼の予防【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2014年11月13日
最終更新日:2019年06月03日
(変更日:2023年12月26日) ※
目的
- 股関節脱臼の予防について理解を深め、適切なケアを行う
- 人工股関節全置換術後に起こりやすい、合併症の1つ
- 脱臼後の整復は難しいので、十分に注意する
観察項目
- 激しい股関節の痛み
- 患側の下肢の短縮(脚長差)
- 患部の腫脹、神経症状の有無
前方脱臼の場合、伸展・過外旋、後方脱臼の場合、内転・内旋・屈曲の肢位となる
治療
- 脱臼の疑いがある場合は、レントゲン写真で確認を行う
- 基本的には徒手整復を行い、一定期間の安静とする
- 頻回に脱臼が起こる場合はギプス固定や装具装着を行い、改善が認められない場合は手術適応となる場合もある
アセスメント
- 脱臼は、THA (人工股関節全置換術)後に起きやすい合併症の1つである
- 脱臼の種類には前方脱臼と後方脱臼がある
- 前方脱臼は股関節の外旋や伸展によって起こる
- 後方脱臼は股関節を屈曲・内旋・内転によって起こる
- 手術のアプローチも脱臼に関与しているが、後方アプローチの方が脱臼率は高い
- 脱臼しやすい肢位や動作があり、入院中や自宅退院後でも起こる危険性が高い
- 入院中の場合はトイレの動作や車椅子への移乗時、転倒、退院後は入浴時やしゃがんだ姿勢で膝が内転したときや転倒などで脱臼するリスクが高くなる
看護のポイント
枕やバスタオルを使用した体位変換の方法
- 術後に体位変換を行う場合、脚の間に何も挟まない状態のまま側臥位にすると患肢が内転・内旋の状態になり、脱臼の危険性があるため、必要に応じて枕や大きめのバスタオルを脚の間に挟む
ADLの指導
- 術前から患者に脱臼しやすい肢位を説明し、自ら注意できるようパンフレットなどを用いて指導する
- 退院後の安全な生活に向け、脱臼予防の指導を行う
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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