用語解説
用語の読み
あじあほけんけんしゅうじょ(えい・えいち・あい)
用語の意味
アジア保健研修所(Asian Health Institute)は、アジア諸国で必要とされている献身的な保健ワーカーを養成し、アジアの人々の健康の増進を目的として1980年に設立されました。
創立者である川原啓美氏は外科医としてネパールに医療協力に行った際、貧しさから病院で治療を受けることもできない多くの人たちの存在を知り、生活の改善から健康を考える保健ワーカーを育成することが大切だと考えました。(詳細:川原氏のインタビュー記事)
愛知県日進市にある研修会館では、年一回アジア各国から保健ワーカーを招き、約5週間の合宿を通して、参加する一人一人の主体性を重視したリーダーシップ研修が行なわれます。
海外での活動も活発に行われ、過去にはカンボジアでは、政府機関や保健NGOのネットワークを協力団体として研修事業を行ない、フィリピンでは医科大学の研修所や行政と共に地域の持続的開発計画に関わってきました。その他、スリランカ、ネパール、インドネシアなどでも元研修生を通じた活動が行われています。現在は、地域NGOとの連携し、栄養改善や運動プログラムの支援を行う「ヘルシーライフスタイルプロジェクト」等、様々なプロジェクトを推進しています。
運営団体である公益財団法人アジア保健研修所は2010年に法人設立30周年を迎え、現在では研修に参加した約6000人の保健ワーカーがアジア全域で活動しています。2000年には、そういった元研修参加者らをつなぐディレクトリーを作成し、ネットワークづくりを進め、情報の共有や恊働事業の展開に力を入れています。
アジア保健研修所は、保健ワーカーと協働するNGOの職員を中心に、行政の職員や議員、住民組織のリーダーの人たちに対する研修をさらに推進させ、アジアの人々の健康と生活を守るために働く人材育成も視野に入れています。日本国内でもアジアの保健ワーカーとの交流プログラムや勉強会なども行っています。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
私は初めてこのアジア保健研修所があることを知りました。この研修所の活動は、日本をはじめとするフィリピン・カンボジア・ネパール・インドネシア・スリランカ等のアジア各国で行われているようです。最近の参加者数の推移を見るとここ何年かはカンボジアでの研修参加数が多いようです。又、1980年~2011年の参加者数は6,000人とまだまだ認知されていないのが実情の様ですね。
ボランティア活動をするというのは何よりも行動力が必要です。頭でしたいなぁ…と思っていても、中々実際にアクションを起こせませんよね(私もそのうちの一人!!)でもまずは世界の医療を知ることから始めても良いのかもしれませんね。そして、自分に余裕があればこのような研修活動に参加するのもいいかもしれません。
アジア保健研修所のホームページによると、事務局でのインターンや、ボランティアは随時募集されています。ボランティアの内容は、イベントの企画・運営、広報誌の編集など、種類も豊富で、興味関心に合わせて選ぶことができるようですね。(ボランティア・インターンの詳細はこちら)
海外での研修生らの活動現場を見たい場合は、年に一度企画されている「スタディツアー」に参加するのが良いと思います。また、興味があるが、まずはどんなものか実際に聞いてみたいという方は、月に一度開催されている「初めて始めて講座」に参加してみてはいかがでしょうか。
追記:2014/08/19
アジア保健研修所様のブログで、ナースハッピーライフをご紹介いただきました。本当にありがとうございます!