用語解説
用語の読み
きょうせいいりょうかいにゅう
用語の意味
強制医療介入とは、精神障害者への治療で、本人の承諾を得ずに治療を行なうことです。精神保健福祉法による現行の規定では、入院については、本人の同意によらない場合でも措置入院及び医療保護入院が法定されており、詳細な手続きが法令及び関係通知において示されています。
しかし、個々の治療行為については、本人の同意によらない治療行為の手続きが定められているわけではありません。また、精神障害者の保護者に対しても、第22条3項で、保護者は精神障害者に医療を受けさせるに当たっては、医師の指示に従わなければならないと定められています。これは、本人の意思に反するような治療行為に対してまで、保護者に受諾を義務づけるものではありません。
しかし、そのような治療行為のあり方については見直すべきではないかと政府内で声が上がり、平成22年「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」を閣議決定し、「精神障害者に対する強制入院、強制医療介入等について、いわゆる「保護者制度」の見直し等も含め、その在り方を検討し、平成24年内を目途にその結論を得る」としています。
医療はインフォームドコンセントに基づいて行なわれるのが原則であり、それは精神科医療においても同様です。一方で、精神科医療の場合、自らがかかっている精神疾患に対する正しい認識や自覚(病識)がなく、治療行為に対して適切に同意することができない場合も多くあります。すべての精神科医療にインフォームドコンセントを導入することは理想ですが、少なくとも措置入院及び医療保護入院のもとでも、より人権的な配慮に基づいた手続きが必要とする観点から障害者に対する医療制度改革は推進されています。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
強制医療介入については、精神保健福祉法と医療観察法における強制医療介入に分けて見ましょう。
精神保健福祉法においては、自身を傷つけ、他人に害を及ぼす恐れのある者を措置入院等の強制医療介入を行うわけですね。
ここで問題となっているのは精神疾患患者以外は自由を剥奪されることはないのに、精神疾患患者だけが人権や自由を剥奪されるのは差別であるという点です。
…これは難しいが、実際に本人の同意なしで、入院や隔離・拘束が行われている実態はあるでしょうね…。私も実際に身体拘束をした経験があるし(適正だったと思っているが…)
確かに不必要な拘束・隔離は看護判断で行うことは望ましくないと思う…。
それに認知症や知的障害者の場合はインフォームドコンセントをどのように取るかって言うのは難しいし、このあたりをハッキリさせて頂けると良いですね…。
又、医療観察法においても同様に障害者条約に違反するとの見解…。
要は精神障害を理由とした特別な強制医療制度は廃止すべきであると声から見直し案が検討されている訳ですね。
実際に、精神医療においては違法な処遇が行われているケースが多いだろうし…結果的に拘束による死亡事故も起きているのでやはり検討されるべき案件と言えるだろう。