慢性疾患で入退院を繰り返す患者の中には、比較的若く(といっても50~60代)、一人で歩き回れる方もいます。
そのような患者は、病院の中では比較的元気であり、何でも一人で出来るので、入院中は時間を持て余しているようです。
屋上に行って煙草を吸ったり、洗濯をしにランドリーに行ったり、売店に行って買い物をしたり、点滴と回診の時間以外は自由に入院生活を過ごしています。
何度も入退院を繰り返しているため、病院の施設やスタッフにも慣れており、新入りの同室患者にも病院内のことを色々と教えてあげているようです。
看護師にとっては、あまり手のかからない親切な患者のように思えますが…
時々その慣れが災いして、インシデントが起きることがあるのです!
同室患者と親しくし過ぎて、その患者のベッドで寝ていることがあり、他の患者の点滴や薬を配りに看護師が訪れると、まるで自分のベッドのように、その患者が寝ている…
そのため新人の看護師などは違う患者であると気が付かないことがあります。
優しい(?)看護師は寝ている患者を起こさないように気遣い、患者側も寝ぼけて気付かず
間違って点滴をつないでしまう…なんて恐ろしいことになりかねません。
部屋の入り口で名前確認、部屋に入ってベッドネームで名前を確認しても、そこに寝ている患者が本人とは限らないということを肝に銘じ、
必ず患者がつけているIDバンドを確認し、本人に名前を言ってもらって、初めて点滴をつなぐ慎重さが大切です。
それにしても、人のベッドで寝るなんてややこしい…