アルツハイマー型認知症の基礎知識
アルツハイマー型認知症の基礎知識【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2015年5月15日
最終更新日:2015年5月15日
(変更日:2015年4月17日) ※
目的
- アルツハイマー型認知症の基礎知識について理解を深め、適切なケアを行う
患者割合
- アルツハイマー型認知症は、認知症全体の50~60%を占めている
- 脳血管性認知症との混合型を含めた場合、アルツハイマー病の病理組織の存在が予測される患者は全体の62.5%にのぼるといわれている
病態生理
- アルツハイマー型認知症は脳の萎縮と変性が認められるのが特徴である
- 脳萎縮は広汎性(びまん性)にみられる
- 特に頭頂葉と側頭葉の内側にある海馬部分の変化が大きい
- 脳が萎縮している部分の血流は低下している
- アルツハイマー型認知症は発症にいたるまでの期間が長く、いつごろから始まったのかがはっきりとしないことも多い
- 臨床的には初期の段階であっても、病理学的には末期に差し掛かっていることも多い
- 画像診断から予測される症状と、実際に臨床でみられる症状が、食い違うことも多い
特徴的な症状
- 頭頂葉の機能(空間認識)、海馬の機能(記憶)が低下することにより、もの忘れが目立つ、道に迷う、などの症状が見られる
- 病識に乏しく、比較的表情は明るい
- 多弁な場合もある
- 日中に徘徊することが多く、歩行はしっかりとしているが、道に迷うことが多い
- 知能検査を受けると、前の質問に対する答えが混在して出現する(保続)
- 立体透視法の模写をしてもらうと、重度の患者であればあるほど、立体感がない描画をする
ハイリスク患者の特徴
頭部打撲
- 意識消失が起こるほど頭を強打したことがあるなど、頭部打撲の既往歴がある場合、発症の危険性が高まる
女性
加齢
- 80代、90代と、高齢になるほど認知症になる人が増加し、アルツハイマー型認知症の占める割合も多くなる
その他のリスク
- 遺伝もハイリスクの要因であると考えられているが、日本では稀であると考えられている
- 最近の研究により、糖尿病がアルツハイマー型認知症の発症リスクを高めるのではないかといわれている
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
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