アルツハイマー型認知症が辿る経過

アルツハイマー型認知症が辿る経過【いまさら聞けない看護技術】

目的

  • アルツハイマー型認知症が辿る経過について理解を深め、適切なケアを行う

概要

  • アルツハイマー型認知症の原因や経過に関しては、不明な点が多かったが、現在、有力視されているのは、
    • たんぱく質の一種であるアミロイドβが沈着して老人斑となる
    • これが毒性を発揮することによって脳細胞を死滅させる  という説である
  • アルツハイマー型認知症は、長い潜伏期間の間に脳細胞が次第に変性していく病態であり、ある日突然発症することはない
  • 発病段階は、臨床的には比較的初期だと思われていても、病理学的には末期の状態となっていることが多い

アルツハイマー型認知症が辿る経過

軽度認知障害(MCI):正常レベルと発病までの中間的な時期

  • 軽い物忘れが見られる
  • 多少、認知症症状の自覚はあるが、自立生活は可能
  • 5~6年で認知症へと移行する
この段階で適切な治療を受けることができれば、進行を遅らせることも可能である

認知症(軽度)

中核症状

  • 記憶低下(物忘れ)
  • 失語(言葉のやり取りが難しい)
  • 実行機能障害(手順を立てて物事を進められない)

行動・心理症状

  • 不安・うつ状態が強くなる
  • とりつくろうために、作話(作り話)をする
  • もの盗られ妄想

認知症(中等度)

中核症状

  • 失見当(場所がわからない)
  • 失行(道具が使えない)

行動・心理症状

  • 意欲が低下し、人と会いたくないため、引きこもり
  • 小さなきっかけで興奮し、暴力や暴言に繋がることもある
  • 徘徊

認知症(高度)

中核症状

  • 失認(家族の認識ができない)

行動・心理症状

  • 摂食・嚥下障害
  • 失禁
  • 寝たきり

各ステージにおける具体的な症状の例

初期の症状の例

何度も同じことを繰り返す

  • ほんのわずかな間隔で同じ話に戻る
  • 周囲が病的に感じる記憶障害が生じている

不安・うつ状態に陥る

  • 自分の考えている状況と、現実が噛み合わなくなる
  • 非現実感と不安感で一杯になり、さらにうつ状態が進む

直前のことを忘れる

  • エピソード記憶(比較的近いできごと)ほど、記憶されない
  • 事実がすっぽりと抜け落ちてしまう

日課や趣味への無関心

  • 以前から興味があることに対し全く関心がなくなる
  • 日課の遂行が難しくなる

もの盗られ妄想が出る

  • 財布などの大切なものを、自分がどこにしまったかを記憶していない
  • 必要な時に見つからないため、身近な人を疑う

作話をする

  • 物忘れにともなう失敗を取り繕うかのように積極的に作り話をする
初期症状は、同居しているなど、ごく身近な家族でなければ気づかないほど、徐々に進行する場合が多い
見当識障害の場合、時間→場所→人の顔の順に記憶が失われていく

中期の症状の例

家事の方法がわからない

  • 順序立てて考えることが必要な行動がとれない
  • 買い物や料理など、当たり前のように行っていた行動で、失敗が目立つ

妄想や徘徊が多くなる

  • 夜間に出現した妄想により、家を飛び出してしまう
  • とくに目的もなく外出し、家に帰宅することが困難となる

季節感、場所や時間がわからなくなる

  • 見当識障害が起こり、日時や季節がいつなのかが分からなくなる

弄便などの不潔行為がある

  • 失禁や便をいじるなど、衛生的に不潔な行為などが見られる

ADLの介助が必要となる

  • 食事や入浴、更衣の介助が必要となる

上手に話ができなくなる

  • 相手が言っている言葉の意味がわからなくなり、本人自身の言葉も意味不明なものとなる
この時期は、比較的表情もよく、身体機能が失われていないにもかかわらず、徘徊などの行動・心理症状が強く出るのが特徴であるため、介護が困難となる場合が多い

後期

会話が不可能となる

  • 言語を用いるコミュニケーション能力はほぼ失われる
  • 言葉による意思疎通が困難となる

表情が乏しくなる

  • 高度の知能低下が見られる
  • 反応が鈍く、表情も乏しくなる

家族が誰だか認識できなくなる

  • 配偶者や子供など、家族を認識できなくなる

尿や便失禁が通常となる

  • 尿意や便意を訴えることが困難となる
  • 常時、尿・便失禁が見られる

食に対する興味を失う

  • 嚥下障害の出現や誤嚥性肺炎のリスクが高まる
  • 次第に、食事に関心がなくなり、食べなくなる

寝たきりの状態になる

  • 歩行・坐位保持困難となり、次第に寝たきりとなる
大脳皮質の機能が広範囲に失われるため、随意運動もやがて困難となる
予後は悪く、平均8年ほどで寝たきりとなり、それから数年で死に至るといわれている
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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