COPDの基礎知識 7 COPDの検査・診断・病期
COPDの基礎知識 7 COPDの検査・診断・病期【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2015年7月29日
最終更新日:2018年05月05日
(変更日:2015年7月23日) ※
目的
- COPDの検査・診断・病期について理解を深め、適切なケアを行う
- COPDの診断に必要な検査には、以下のようなものがある
- 胸部X線撮影
- 胸部CT
- 呼吸機能検査
- 動脈血ガス など
胸部X線撮影
- X線撮影の画像より、以下の所見について確認を行う
- 横隔膜が平坦化しているか
- 肺野の透過性が亢進しているか
- 滴状心により心胸郭比が減少していないか
- 肺野末梢血管影が狭小化しているか
- 胸骨後腔、肋間腔、心臓後腔が拡大しているか
胸部CT
- 線撮影の画像より、以下の所見について確認を行う
- 気道壁が肥厚しているか
- 病態が進展しているか
- 気腫性病変があるか(ある場合はその分布)
- 気道内腔が狭小化しているか
呼吸機能検査
スパイログラム
- 拘束性換気障害のとき:%肺活量(%VC)80%未満
- 閉塞性換気障害のとき:1秒率(FEV1%)70%未満
肺気量分画
- 最大吸気量(IC)、肺活量(VC)が減少する
- 残気量(RV)、機能的残気量(FRC)、全肺気量(TLC)が増加する
拡散能障害
- 一酸化炭素(CO)肺拡散能(DLco)が減少する(%DLco80%未満)
フローボリューム曲線
- 最大呼気速度(Vmax)の低下がみられる
- 呼気時の気流速度の低下がみられる
静肺コンプライアンス
動脈血ガス
- 高二酸化炭素血症や、低酸素血症の有無と程度を確認する
その他
血液・喀痰・呼気検査
- CRP(C反応性蛋白)など炎症反応物質上昇の有無
- 気道炎症の評価
呼吸筋機能検査
睡眠時検査
- 低換気により高二酸化炭素血症を伴う低酸素血症の有無、程度の評価
- 呼吸筋力低下や呼吸筋疲労の評価
心肺運動負荷
肺性心と肺高血圧症の評価
- 胸部X線写真、心電図、心エコー、身体所見、バイオマーカーなどによる評価
- 肺動脈圧上昇の有無
診断基準
- COPD以外の気流閉塞をきたしうる疾患を除く(除外診断)
- 気管支拡張剤投与後に施行するスパイロメトリーで、FEV1/FVC<70% という条件を満たしていること
病期分類
Ⅰ期:軽度
Ⅱ期:中等度
- FEV1/FVC<70%
- 50%≦%FEV1<80%
Ⅲ期:高度
- FEV1/FVC<70%
- 30%≦%FEV1<50%
Ⅳ期:極めて高度
- FEV1/FVC<70%
- 慢性呼吸不全を合併しており、なおかつ%FEV1<30%もしくは%FEV1<50%
- 気流閉塞の程度により対標準1秒率(%FEV1)を用いてⅠ~Ⅳ期に分類される
COPDの確定診断で一番重要となるのは
スパイロメトリーの検査結果 FEV1/FVC<70%
を満たすことであるといわれている
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