目次
目的
- COPDの急性増悪時の管理について理解を深め、適切なケアを行う
急性増悪とは
- 咳嗽や喀痰頻度の増加、呼吸困難の増強など症状の急激な悪化が見られ、これまでの治療内容の見直しが必要となる状態のことである
- 大気汚染や気管支喘息、あるいは肺炎球菌・インフルエンザ菌・インフルエンザウイルスなどによる呼吸器感染症がきっかけとなるが、原因不明のものも30%程度存在するといわれている
急性増悪時の治療
気道の浄化
- 体位ドレナージやスクイージング、吸引などを行い、排痰につとめる
- 室内の加湿を十分に行い、吸入器を使用し、場合によっては吸引を行う
酸素療法
- 医師の指示の下で酸素吸入を行い、SpO2値を一定に保つ
NPPV
- 呼吸状態や換気状態の観察を十分に行い、効果的なNPPVを行う
- 呼吸状態、NPPVとの同調性、換気状態などを観察する
- 観察結果を下に、必要に応じて医師への設定調整を依頼する
- スキントラブルを回避しながら、適切なマスクの選択とフィッテングを適宜行う
栄養管理
- 食事の種類や食事形態を考慮し、食べやすい食事を提供する
- 基本的には高カロリー食とするため、必要に応じて、栄養補助食品の導入も検討する
- 食事が十分に摂取できない場合は、輸液による栄養管理を行う
薬物治療
- 去痰剤や気管支拡張剤、ステロイド薬を効果的に使用する
急性増悪時の看護ケア
呼吸法
- 呼気を意識しながら、口すぼめ呼吸をするよう指導する
- 呼気量が増加することで、呼吸困難の軽減が期待できる
心負荷の軽減
- 脈拍数・呼吸数の増加や息切れ、呼吸苦などの自覚症状を観察しながら援助を行う
- 水分出納バランスに注意し、必要時は水分制限を行う
- 便秘の場合は解消に努める
安楽な体位の保持
- 起坐位やファウラー位などで安楽な姿勢を保つ
精神的援助
- 患者や家族の理解度を確認しながら、十分な説明・指導を行う
- 不安や恐怖に対し、十分な傾聴を行う