COPDの治療 2 薬物療法
COPDの治療 2 薬物療法【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2015年7月31日
最終更新日:2018年11月25日
(変更日:2019年10月28日) ※
目的
- COPDの薬物療法について理解を深め、適切なケアを行う
薬物療法とは
- COPD患者の症状や増悪の改善、QOLや運動耐容能の改善に対し、効果が期待できる
ワクチン接種
- インフルエンザワクチンを単独で接種するよりも、インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンを併用する方が感染性増悪の頻度を低下させることができる
- 肺炎球菌ワクチンは原則65歳以上の接種であり。インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの同時接種は医師の判断による
- 別々に接種する場合は6日以上間隔をあけることが必要
喀痰調整薬
- COPDが悪化する頻度と期間を減らす作用がある
- アセチルシステイン
- アンブロキソール
- カルボシステイン
- フドステイン
- ブロムヘキシン
気管支拡張薬
- 薬物療法において主に選択されるのは気管支拡張薬であり、病態の重症度によって薬剤の併用が行われる
- 薬剤を選択する際は、個々の患者対する薬剤の治療反応性を検討し、症状や重症度に応じて段階的に単剤の使用から多剤の使用を行い、副作用に注意しながら治療を継続する。
- 気管支平滑筋弛緩作用によって、肺が過剰に膨張するのが防げ、運動耐容能の改善が認められる
- 気管支拡張薬(β2刺激薬、抗コリン薬、キサンチン誘導体)はそれぞれ異なる作用機序を持つ
- 1種類の薬剤の使用でも症状の改善が認められない場合は、気管支拡張の上乗せ効果を目的として2種類以上の薬剤を併用する
基本的に気管支拡張薬は吸入として使用する
マクロライド系薬
- 長期間の投与を行うことで、悪化の頻度を抑える働きがあると言われている
ステロイド薬
- 慢性で安定期の状態にある場合、感染症などの副作用が生じるリスクが高くなるため経口ステロイド薬の長期投与は行わない
- 吸入ステロイド配合薬と長時間作用性β2刺激薬を混合した薬剤は単剤で使うよりも呼吸困難を軽減させ、憎悪頻度の減少、運動耐容能や呼吸機能を改善させる
- 吸入用ステロイドには、% FEV1が50%未満で増悪を繰り返している場合に用いるとQOL の悪化を防止や憎悪頻度を減らす作用がある
アセスメント
- COPDの状態に合わせ、適切な治療薬を段階を追って選択をしているか
- 使用した薬剤に対しての薬効が十分に表れているか
- 症状の悪化・憎悪の有無を早期発見し、多剤の併用が検討されているか
- 使用されている薬剤は副作用なども含め、自分に合っているものの評価ができているか
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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