COPD患者の看護 4 看護ケア

目的

• COPD患者の看護ケアについて理解を深め、適切なケアを行う

考えられる看護ケア

気道クリアランス維持への援助

• 体位ドレナージ・スクイージング・吸入・吸引など患者の状態に合わせたケアを選択し、苦痛を最小限に抑えるような関わりを行う
• 室内の加湿や、水分制限が必要な循環障害がなければ、水分補給を十分に行い、痰の粘稠度を下げる
• エネルギー消費量を抑えるため、咳嗽時や喀痰時は強く行わないよう説明する

薬物療法

• 内服薬の必要性について説明し、確実な内服投与を行う
• 薬効がでているかどうか適宜評価を行う

呼吸困難の緩和

• 呼気がスムーズに行えるよう口すぼめ呼吸を行ってもらう
• 起坐位やファウラー位など患者にとって安楽な体位の工夫を行う
• 安静度に応じ、過度の負荷がかからないような動作が行えているか確認する
• 呼吸リハビリテーションを積極的に行う
  必要時は酸素療法・換気補助療法を導入する

栄養管理

• 高エネルギー食を中心とした食事を摂取し、体力を維持する
• 食が細く、体重減少、栄養状態の低下などが認められる場合は、栄養補助食品などを取り入れる

心負荷の軽減

• 水分出納バランスを管理し、安静度に応じた日常生活のケアを行う
• 心負荷がかかる動作がどのようなものなのかを会得してもらい、負担がかかる動作は避ける
• 便秘がちな場合、排便コントロールを行う

精神的サポート

• 不安が軽減されるような説明・指導を行う
• 訴えに対する共感的態度を取る
• 自己管理能力が高まるよう、患者の理解度と意欲を確認し、サポートする
• 本人の意思を尊重する

環境調整

• 支援の体制を整えながら、家族も含めた退院調整を行う

アセスメント

• 根本的な治療法がなく、完治ができない疾患であることを理解し、現状維持・異常の早期発見を中心に観察ができているか
• 安定期を長期間維持するためのケア項目について理解ができているか
• COPDの疾患に特徴的な呼吸状態の観察を行うことができているか
• 患者の理解度に合わせた自己管理の方法について適切な指導ができているか
• 不可逆性の疾患であることを受容し、退院に向けて前向きになれるような関わりを行えているか
• 現状維持のために必要な管理方法に対する情報の提供ができているか