目的
- 認知症ケアの基本(望みの把握)について理解を深め、適切なケアを行う
”のぞみ”の見つけ方
- 認知症の人に対しては、話の傾聴、承認を繰り返し行い、不安や思いを認め、支えていくことが重要である
- 安心と信頼をもった関わり方をすることで、相手はケアする側に心を開きやすくなり、本心を語りやすくなるだけでなく、周辺症状の改善にもつながる
- 「今、何をしたいのか」「どのようにありたい」のかなどの適切な質問で、相手の本当の望みを引き出す関わり方を行う
興味や関心事を見つける
- ケアする側が認知症の人に対し、どんなことに興味を持ち、何に関心があるのかに注目して観察を行う
- 本人の気分転換を図りながら、楽しさや喜びを引き出す関わりをしつつ、趣味や新しい挑戦事を促すことで興味や関心事が発見できる場合がある
役割を担ってもらう
- 人が役割をもって生きることは生きる糧となり、興味や関心のあることがその人の役割へとつながる場合がある
- 本人の生活習慣や自分史、職業や趣味などをヒントにして関わると、その人に合った役割を見つけることが可能となる
男女別「関心度の高い役割」
男性
- 新しい挑戦
- 工作・工芸
- 昔の仕事に関連する作業
- 女性を守る など
女性
- 掃除
- 料理
- 家庭菜園
- 洗濯 など
上手に関わるポイント
会話が続くような質問をする
例
「私は何をやってもダメなんだ」
○:「そのように思う理由は何ですか?」
×:「そんなことないですよ」「そんな風に思わないでください」
気持ちを尊重する
例
「孫は元気にしているかなぁ・・・」
○:「お孫さんのことを大切に思っているのですね」「お孫さんのことが心配ですか?」
×:「お食事の時間なので移動しましょう」「あちらでテレビを見ましょう」
名前で呼ぶ
○:「△△です。□□さん、こんにちは」(自己紹介をしつつ挨拶をすることで警戒心が取れ、安心感につながる)
×:「おばあちゃん。こんにちは」(名前ではなく一人称で呼ぶのはNG)
発想の転換をする
例
(促しても水分を摂ってくれない)
○:どのような工夫をすれば、水分を摂ってくれるのだろう
×:どうやったら思い通りに水分を摂らせることができるだろう
アセスメント
- 訴えや思いに耳を傾け、気持ちを尊重した関わりができているか
- ケアする側の都合ではなく、相手の思いを組んだ行動がとれているか
- 認知症の人が望んでいることをキャッチできるよう関心が相手に向けられているか
- 本人がどう受け取るかに配慮したコミュニケーションがとれているか
- 昔の趣味や仕事に関する内容=本人の興味・関心があることと決めつけをしていないか