目的
- 認知症ケアのアセスメントについて理解を深め、適切なケアを行う
”認知症におけるケア”が必要となる理由
- 認知症の方の全体像を把握する目的で情報を集める
- さらに、ニーズや課題を明らかにする必要がある
- 明らかになった課題やニーズに基づいてチームが協力し合う
- 適宜、ケアプランの作成・見直しを行う
継続的できるケアへとつなげていくことが重要である
- アセスメントには主に以下の6つの方法がある
- 該当項目を埋めていくことにより、その領域においての状況が見えてくる
さまざまなアセスメントツールが出回っているが、ツールを元にケアを行うのではなく、あくまでも認知症の人の生活を中心にケアを考える
ケアのポイント
健康=毎日を健康に過ごす
健康管理
- 現在の要介護度
- 現病歴、既往歴
- 日常生活自立度判定基準
- 認知症の発症から現在までの経過、認知症症状の程度
- 主訴、検査データ、治療・服薬内容(副作用も含む)
- 顔色・表情、体調不良の有無
栄養状態
- 身長・体重・肥満度
- 水分・食事摂取量
- 摂食・嚥下障害の有無と程度
- 口腔内や全身の皮膚の状態
- 褥瘡の有無
排泄
- 排泄の方法とパターン
- 尿意・便意の有無
- 残尿感の有無
- 尿・便失禁の有無
- 腹部症状の有無
- 排泄環境
高齢者は基礎疾患以外にも合併症を併せ持つことが多いため、 解剖生理を理解し、知識をケアに生かす
身体的・精神的苦痛や体調の変化が認知症の周辺症状として出現する場合もある
健康に関する客観的なデータと合わせて表情や日常の過ごし方などを観察することが必要である
安全=危険な状況の排除
環境の安全性
- 食事・排泄・洗面・入浴場所の安全性、危険物の有無
- 移動・就寝場所の安全性、危険物の有無
本人の状態
- 関節や脚のトラブル、感覚器の障害の有無
- 疲労度、睡眠状態
- 身体バランスや運動能力、危険察知能力の有無と程度
- 言語の理解度
- 安全性の高い衣服や履物の使用状況
- 過去の転倒・転落の経験
椅子やテーブル、ベッドなどの家具の配置や手すり、階段など周囲の環境を注意深く観察し、転倒や事故を防止する
本人の認知の状況や症状を把握し、普段から体調の変化などについても注意深く観察する
自立支援=今ある能力の発揮
ADL
- 身の回りのことを行う基本的動作はできているか
- 日常生活における複雑な動作はできているか
- これまでの社会的役割と現状
環境の機能性
- 本人が居る空間の環境の状態 = 本人の残存能力が発揮できる環境にあるか
活動と休息
- 倦怠感・疲労感の有無と程度
- 活動と休息のバランスは適切か
自分でできることや興味・関心のあることにも注目し、現在持っている能力が生かせるようなケアの在り方を考え、適切な環境づくりをしていく
やる気を持ってもらえるような関わり方をする
安心=不安定な感情の改善
ストレス状況
- どんなストレスを抱えているのか
- 楽しさや喜びを感じる機会の有無
認知・感覚・知覚
- 具体的にみられる、認知症の周辺症状
- 疼痛などの苦痛の有無
周囲の人間関係と環境
- 居心地の良い場所はどこか
- 家族や他の利用者など親しい人との付き合い方
- 入所前の環境と入所後の環境の違い
認知症のある人の場合、不快や不安を感じやすく、周辺症状を悪化させていることが多い
不快や不安の思いはどのような行動や環境、対応のときに起こるのかや、ストレス耐性の程度など、日頃から十分な観察が必要である
精神的な問題は詳細をつかみにくいため、より多くの情報を必要とする
職員や他の利用者などとの関係性などについて注意深く観察する
個別性
普段から考えていること
個性
- 好きあるいは得意なこと、もの
- なじみのあるもの
- 生活パターンや生活習慣
- これまでの社会的役割
セルフイメージ
支援状況
施設や地域の支援、施設の援助方針
- ボランティア導入の有無
- 行政や民生委員の支援の有無
- 介護サービス以外の支援
- 近所との関係性
- 歯科・理美容などの訪問支援の有無
- 健康維持・安全保持に対する支援
家族の支援
- 家族構成、家族史
- 家族との関係性
- 家族の健康状態、経済力
- 介護に対する家族の悩み、家族の受容状況
- 家族が大切にしている価値観
- 生活の継続性と変化の可能性
- 今後の展望
アセスメント
- 患者の全体像が把握できるようなアセスメントができているか
- ケアプランの作成・見直しを定期的に行い、継続的なケアへとつなげていくことができているか
- 解剖生理についての知識を持っているか
- 健康・安全・自立支援・安心・その人らしさ・支援体制のそれぞれの分野が適切にアセスメントできているか
- 身体的・精神的苦痛や体調の変化を認知症の周辺症状と関連付けて考えることができているか
- 健康に関する客観的なデータと合わせて本人の状態を観察することができているか
- 認知症の症状や程度からその行動を予測し、転倒・転落防止の対策が練られているか
- 認知症患者が現在、持っている能力がどれくらいあるか
- やる気を引き出すような関わり方を行えているか
- 安心できる環境が整えられているか
- ストレスの要因について理解ができているか
- 本人の大切にしている思いや価値観が理解できているか
- 認知症の人の意思決定をケア提供者が奪っていないか
- 認知症の人をとりまく支援体制が構築されているか
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