目的
- クラミジア肺炎について理解を深め、適切なケアを行う
特徴
- 原因菌はクラミジア属およびクラミドフィラ属であり、以下の3種によるものが一般的である
- 肺炎クラミジア(Chlamydophila pneumoniae):”肺炎クラミジア肺炎”の原因菌
- クラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci):”オウム病”の原因菌
- クラミジア・トラコマティス(Chlamydia trachomatis)
- 感染源となった種によって、出現する臨床症状が異なる
肺炎クラミジア肺炎
- ヒトからヒトへ飛沫感染する
- 全ての年代で発症するが、主な罹患者は若年者および高齢者である
- 高齢者の場合、軽度の発熱や長期に渡る激しい乾性咳嗽を伴うことがある
- 小児は無熱、成人は無症状で、自然治癒することも多い
- 原因菌は肺炎クラミジア(Chlamydophila pneumoniae)である
- 一般細菌との混合感染が多いため、配慮が必要である
オウム病
- 鳥類の飼育歴がある学童や若年成人に好発する
- トリの排泄物などにより、ヒトに塵埃感染することで起こる
- 口移しでトリに餌を与えることでも感染が起こる
- 原因菌はクラミジア・シッタシ(Chlamydia psittaci)である
症状
肺炎クラミジア肺炎
高齢者の場合
- 軽度の発熱
- 長期に渡る激しい乾性咳嗽
オウム病
- 高熱(39.0℃以上)
- 頭痛
- 乾性咳嗽
- 徐脈
- 肝脾腫
多臓器不全、髄膜炎、DICなどを起こすと、死亡することもある
肺炎だけに止まらず、血行性に全身を巡ってしまうので、全身の臓器がダメージを受ける
診断
- MIF法、ELISA法による血清抗体価の測定(肺炎クラミジア肺炎の場合)
- MIF法による血清抗体価の測定(オウム病の場合)
治療方針
- テトラサイクリン系
- ニューキノロン系
- マクロライド系 など
- 再燃を考慮し、10日~2週間を目途に抗菌剤の投与を行う
アセスメント
- クラミジア肺炎の病態が理解できているか
- クラミジア肺炎の分類と特徴(臨床症状の違い)が理解できているか
- トリの飼育歴や、口移しでの餌やりなどの経験の有無について情報収集ができているか