輸血の基礎 7 輸血後GVHDとは
輸血の基礎 7 輸血後GVHDとは【いまさら聞けない看護技術】
公開日:2016年7月12日
最終更新日:2018年06月12日
(変更日:2016年6月27日) ※
目的
- 輸血後GVHDについて理解を深め、適切なケアを行う
輸血後GVHDとは何か
定義
- 拒絶反応により患者の体組織が攻撃、傷害されることによって起こる病態を輸血後GVHDという
- 輸血用血液製剤中に含まれている供給者(ドナー)のリンパ球にとって、輸血を受けた患者の体は非自己であり、拒絶反応を起こすことがある
- 輸血後1~2週間で発熱・紅斑が主症状として現れ、肝障害や下痢、下血などの症状を伴う
- 同時に、骨髄無形成、汎血球減少症、多臓器不全を呈する
- ほとんどの場合、輸血後1カ月以内に致死的経過をたどる
症状
原因
- 輸血されたリンパ球(特にCD8リンパ球)の拒絶ができない場合(免疫不全状態)
- HLA(ヒト白血球抗原)の組み合わせにおいて、輸血されたリンパ球の拒絶ができない場合(健常者にも起こる)
免疫不全状態のときよりも、HLAの組み合わせの問題で起こる確率の方が高い
輸血後GVHDの転帰
輸血直後~10日前後
輸血後1~2週間
輸血後10~20日間
輸血後20日前後
輸血後1ヶ月以内
輸血後GVHDの危険因子
- 全血製剤使用時(特に新鮮血)
- 開胸術・開心術時の輸血
- 近親者間の輸血
- 新生児・未熟児
- 男性
- 50歳以上の高齢者
輸血後GVHDの予防策
- 放射線照射が行われている血液製剤を用いる
- 近親者間輸血をしない
- 可能な限り、自己血輸血で対応する
- 全血輸血をしない(特に新鮮血)
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実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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