用語解説
用語の読み
きゅーあいぷろじぇくと
用語の意味
QIとはQuality Indicator(質の指標)の略であり、QIプロジェクトとは「自院の診療の質を知り、経時的に改善する」ことを目的として、日本病院会により平成22年度から実施されているプロジェクト事業です。
日本病院会は「他院との比較ではなく自院でQIの数値を時系列的に追って行くことが重要だ」と主張しています。つまり、QIプロジェクトの目的は、自分達の取り組みを数値で確認することです。
厚生労働省が実施した「医療の質の評価・公表等推進事業」を引き継ぐ形のプロジェクトで、平成22年度は30施設で実施を開始し、徐々に施設数を増やして平成28年度は349施設が参加することになっています。
測定項目は、厚生労働省の事業に参加した当初の11項目(患者満足度、入院患者の転倒・転落発生率など)から、平成27年度には32項目まで増えています。
また、平成24年度からは、精神・療養病床を有する病院向けの項目も追加して測定されています。平成28年度は、再入院率やインフォームドコンセント実施率などそれぞれ3項目ずつ増やすことになっています。
測定項目の内容は、患者満足度、死亡退院患者率、褥瘡発生率、紹介率、逆紹介率など医療の結果のみならず、救急車・ホットライン応需率、予防的薬投与率および停止率、血糖コントロールの状態などその医療の過程や質、さらには手術・虚血性心疾患・脳卒中の総合指標まで多岐にわたっています。
QIプロジェクトは、医療の質を測定・評価・公表するための指標を検討し、病院の運営管理の手法にPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルの組み込みを各病院に促す役割があります。
日本病院協会のホームページから、QIプロジェクトの結果は報告書としてだれでも閲覧することが可能であり、参加施設の平均や分布を見ることもできます。
また、年1回、参加病院が集まり、医療の質改善の事例を発表することで、医療の質の改善のためのノウハウを共有する機会もあります。