用語解説
用語の読み
ぷらいまりーなーしんぐ
用語の意味
プライマリーナーシングとは、日本語に訳すと「専任看護師制」であり、1人の患者に専任の看護師が1人付き、入院から退院まで継続して受け持つ看護方式のひとつです。
専任看護師のことをプライマリーナースと呼び、1人のプライマリーナースが、1人の患者を責任をもって最後まで看護ケアを行うことで、病状の把握はもちろん、患者ニーズの合わせた看護を実現するための制度です。一方、複数人がチームを組んでチームで複数の患者を看護する方法をチームナーシングと呼びます。
プライマリーナーシングは、まず、プライマリーナースを決定することから始まります。任命されたプライマリーナースは、受け持ちの患者の看護計画を立て、入院から退院まで一貫して担当します。
プライマリーナースの不在時には、別の看護師(アソシエイトナース)が看護を担当します。担当の患者が退院すると、サマリーの報告を行い、プライマリーナースの業務を終了します。
プライマリーナーシングのメリットには以下の点が挙げられます。
- 1人の患者の病状やニーズを把握し、質の高い看護ができる
- 「自分の患者」ができるため、責任感と満足感を得ることができ、自主性も育まれる
- 患者が安心し心を開きやすいため、信頼関係を築きやすい。
一方、プライマリーナーシングのデメリットは以下の通りです。
- プライマリーナースによって看護の質に差が出てしまう可能性がある
- 患者数だけ看護師が必要になるため、他の看護方式に比べて人員を多く要する
- 看護師間のコミュニケーションをとる機会があまり多くない
これらのデメリットを解消するため、日本独自の看護方式として、プライマリーナーシングとチームナーシングを組み合わせた、『モジュールナーシング』という方法をとっている病院もあります。