人工呼吸器装着患者へのケア 2 清拭のポイント

人工呼吸器装着患者へのケア 2 清拭のポイント【いまさら聞けない看護技術】

目的

  • 人工呼吸器装着患者への清拭を安全に行うことができる
  • 清拭前後の観察を行うことができる
人工呼吸中の患者は長期間の臥床を強いられやすいため、清拭は全身観察を行う上でも重要なケアである

清拭を行う時のポイント

準備

  • 患者の状態(循環動態、呼吸状態)をアセスメントする
  • 必ずモニター監視下で行う
  • 通常の清拭同様、空調とプライバシー保護に留意する
  • 人工呼吸器とベッドの位置を調節し、必要に応じてベッド柵を外す
  • ケア途中にベッドサイドを離れることのないよう、必要物品は必ずそろえておき、かつ手の届く位置に配置する
  • 挿管チューブのカフや固定をチェックし、必要があれば吸引しておく

清拭の実施

  • 必ず2名以上のスタッフで実施し、患者の両サイドに立つとよい
  • 清拭や更衣を行う際は人工呼吸器回路やライン類、モニターコードの外れや屈曲に十分注意する
  • ケアと同時に、全身の皮膚状態や褥瘡の有無を観察するとともに、モニターのパッドや固定テープ類も交換できるとよい
  • 保温に注意し、清拭後は乾タオルで水分を拭きとる
    • 拭いた後の水分が皮膚に残ると
      • 室温で冷やされて体温を奪ってしまう
      • その結果、代謝を亢進させることにつながる
      • 患者に不快な思いをさせてしまうリスクがある
人工呼吸器装着患者は特に代謝の亢進が状態を容易に変動させるため、ケアによる侵襲を少しでも減らせるように工夫が必要

体位を変更するとき

例)患者の体位を、仰臥位から側臥位へ変えるとき

  • 患者の姿勢をまっすぐな仰臥位にし、周囲の不要な物品(布団など)は撤去しておく
  • 頭部側に立つ看護師の合図で、患者をゆっくりと側臥位にする
    このとき、患者の脊椎がまっすぐな状態を保持する
    (ログロール:丸太のイメージ)
  • 人工呼吸器回路やライン類の巻き込み、屈曲がないことを十分に観察する
  • 体位変換による循環動態や呼吸状態の変動がないか観察する
  • 頭部側(人工呼吸器側)に立つ看護師は、患者の反応やモニターをメインで監視し、その他の看護師もモニターに注意しながら清拭を行う
体位に禁忌がなければ、回路が引っ張られて事故抜去とならないように、人工呼吸器側に向きを変えるのが基本。

【 抑制帯を使用している場合 】

  • 事故抜去とならないよう、抑制帯は清拭時のみ外し、清拭後は確実に再装着する
  • 抑制帯を外していることを看護師間で情報共有する

観察項目

  • 清拭終了後に以下の項目を観察する
    • 清拭前後で循環動態や呼吸状態に変化はないか
    • 挿管チューブの固定や位置にずれがないか
    • 人工呼吸器回路やライン類の巻き込み、屈曲、抜去はないか
    • 全身の皮膚状態や褥瘡の有無を観察できたか
    • 患者のプライバシーや安楽に配慮し、効果的な清拭ができたか
    • 人工呼吸器は正しく設定されているか
    • 必要に応じて、抑制はきちんとなされているか など
本コンテンツの情報は看護師監修のもと、看護師の調査、知見、ページ公開時の情報などに基づき記述されたものですが、正確性や安全性を保証するものでもありません。
実際の治療やケアに際しては、必ず医師などにご確認下さい。
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