目的
- 聴診と触診をする上でのポイントをそれぞれ理解することができる
聴診をする上でのポイント
呼吸音の分類
患者の状態によって呼吸音が聞き取れないことがあり、この場合は「呼吸音の消失」という
- 呼吸音に副雑音(ラ音)が聞かれた場合、断続性ラ音と連続性ラ音によって聞こえる音が異なる
- 断続性ラ音であった場合は下記の音が聴取される
- 水泡音 : お湯が沸騰する時のような「ブツブツ」「ボコボコ」という音
- 捻髪音 : 髪の毛の束をいじるような「チリチリ」という音
- 連続性ラ音であった場合、下記の音が聴取される
- 笛音(高音性のラ音) : 「ピューピュー」という音で、呼気時のみ聞こえるのが特徴
- いびき音(低音性) : 低い「ボーボー」という音で、呼気時も吸気時も両方聞こえる
- その他の音として、胸膜摩擦音(「ギュッギュッ」という音)が聞こえることもある
人工呼吸器を装着している場合の聴診
- 呼吸音の聴診では、人工呼吸器を装着している場合と、そうで無い場合とで、聞き分ける音には大きな違いはない
- ただし、人工呼吸器を装着している場合、気管の呼吸音は挿管チューブ内を通過する空気の流れの音を聞いているため、挿管をしていない時よりも大きく聞こえる
抜管すると共鳴音がなくなり、呼吸音が小さく、減弱したように勘違いすることがあるが、抜管によるものであり、呼吸が改善したとは限らない
- 頸部の聴取は忘れられやすいが、下記の音が聞こえていないかを確認する
- 気管チューブのカフ圧不足によるガスの漏れている音の有無
- チューブの狭窄によって生じる副雑音
副雑音が聞こえる時:換気が行われている
副雑音が消失する時:換気がなされていない という場合があるため、注意深く観察する
人工呼吸器装着時は臥床していることが多く、陽圧換気や鎮静などにより横隔膜が挙上しやすく、肺底区の換気が減少することがあるので、背中側の呼吸音の聴取も忘れずに行う
触診をする上でのポイント
触診では何を知ることができるのか
- 胸部の触診は前胸部に両手を当てて観察を行う
- 触診をすることで、下記の状態を知ることができる
- 胸郭の拡大、拡大範囲、広がるスピード
- 胸郭拡大の左右差
- 分泌物による胸壁の振動の有無と場所
- 皮下気腫の有無 など
- 片側の肺に無気肺があればその部分の胸郭可動性(胸の動き)は低下する
- 中枢気道に近い部分に痰があれば体表からの振動で気づくこともある
側臥位になっている場合は背中側にも手を当てて触診を行う
気管切開時直後では、皮下気腫の有無の確認も重要となるため、充分な観察を行う
アセスメント
- 呼吸音の正常と異常が正しく理解できているか
- 肺の解剖生理を理解し、胸部側だけでなく、背面側も含め、肺全体の聴診を行うことができているか
- 正しい部位で触診を行い、必要な情報を集めることができたか
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