目的
- 人工呼吸器装着患者の吸引の目的、開放式で行う場合の手技を理解することができる
気管吸引とは
気管吸引の目的
- 気管吸引とは患者の咳嗽やそのほかの方法では除去することができない気管分泌物などを取り除く手法で、気道浄化法の1つ
- 気道の開存性を維持、改善することを目的とする
- 気管吸引をすることによって呼吸仕事量や呼吸困難感の軽減、ガス交換能力の維持・改善効果が期待できる
- 実施の際には患者にとって侵襲的なだけでなく、苦痛を伴うこととなるため、必要最低限で行うべきである
開放式吸引とは…
・一般的な吸引の手技で、人工呼吸器の回路を一時的に開放し吸引を行う
・回路を閉鎖したまま行う「閉鎖式吸引」という方法もある
開放式吸引の流れ
必要物品
グローブは滅菌か、未滅菌かについて
実は、どちらを使用するべきかについてはCDCガイドラインでも未解決(2017現在)
いずれにしてもVAP(呼吸器関連感染症)防止のために、清潔操作が必要不可欠のため、施設のマニュアルに従い清潔に注意し実施すること
気管吸引の必要性の確認
- 気管吸引の必要性を下記の項目を参考に判断する
- チューブ内に明らかに分泌物が見える
- 気管から左右主気管支に低音性連続性ラ音を聴取できる
- 呼吸音が減弱している
- 胸部触診の際にガスの移動に伴った振動を感じる
- SPO2やPaO2が低下している
- 気道内圧の上昇、換気量の低下がみられる
気管支の末梢部位に貯留した分泌物は、気管吸引では除去できないため、加湿や体位ドレナージなど他の排痰援助方法を検討する必要がある
開放式吸引の実施
- 患者へ説明をする
- 手指衛生と感染防御用具(エプロン、ゴーグル、マスク、グローブ)の装着
- モニター装着と位置を調整(吸引中の状態チェックができるようにする)
- 吸引前の酸素化の実施を検討
低酸素に陥りやすい患者に対しては事前に100%酸素で酸素化を行うが、状態が安定した患者には必ずしも酸素化を行う必要はない
- カフ圧を確認し、口腔内やカフ上部に貯留した分泌物を吸引しておく
(吸引動作により、口腔内やカフ上部に貯留した分泌物の垂れ込みを防ぐため)
- 吸引カテーテルは気管チューブ内径の1/2以下の外径のものを選択する
(吸引カテーテルが太すぎると、余分な空気まで吸引してしまい低酸素のリスクを高めるため)
7mmの気管チューブでは10Fr以下、8mmの気管チューブでは12Fr以下の吸引カテーテルを使用する
カテーテルを深く挿入すると、肺虚脱や気管粘膜の損傷、不整脈やSPO2の低下を誘発するため、注意が必要
- 1回あたり、10~15秒以内で吸引を行う
- 吸引時間は可能な限り短くし、下記の合併症を念頭に置き、モニタリングをしながら実施する
- 気管、気管支粘膜の損傷
- 低酸素血症
- 徐脈、頻脈、不整脈、心停止
- 血圧変動、循環不全
- 呼吸停止
- 嘔吐
- 気管支攣縮
- 疲労、不快感、疼痛
単孔式吸引カテーテルは、回転させながら吸引を行う必要はない
多孔式吸引カテーテルは、カテーテルを回転させる(こよりをねじるように指先を回して吸引する)ことで分泌物を多く吸引できる可能性がある
- 吸引カテーテルをアルコール綿で拭き、滅菌蒸留水(あるいは滅菌生理食塩水)などを通水し、カテーテル内の分泌物を除去する
- 再吸引の必要性とタイミングを、患者の状態やSPO2の改善状態を確認して検討する
- 吸引カテーテルを外し、吸引カテーテルと手袋は感染性廃棄物に破棄する
- 吸引の効果とバイタルサインを観察する観察項目は以下を参考にする
これらが安定していることを確認してからベッドサイドを離れる
- 観察項目の例は以下の通り
- 吸引前に見られていた所見が消失しているか
- 吸引前に見られていた所見が改善しているか
- 分泌物の性状
- 呼吸状態
- 循環動態
アセスメント
- 吸引の必要性を判断することができたか
- 吸引カテーテルを不潔にしないよう注意して行えたか
- 患者への侵襲を最小限にするために短時間で手早く行えたか
- 吸引前、中、後で患者の状況を充分に観察できているか
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