目的
- ファイティングについて理解し、ファイティング時の患者へ適切に対応できる
ファイティングとは何か
- 患者の呼吸状態と人工呼吸器の強制換気が合わない、人工呼吸器と非同調の状態のことをいう
- 呼吸器と患者の呼吸がファイト【戦う】してしまう状態
ファイティングの原因とは
- ファイティングの原因には、以下のものがある
- 鎮静、鎮痛が不十分
- 呼吸器回路のリーク
- 挿管チューブの屈曲、閉塞
- 人工呼吸器の設定が、患者の状態に合っていない
観察ポイント
- 前回の観察時との違いを見る
- 呼吸回数
- 呼吸の深さ
- 呼吸パターンの乱れ
- 呼吸補助筋の使用状況
- 自覚症状
- 患者の表情 など
これらを観察し、患者自身の状態変化なのか、人工呼吸器設定との同調が図れていないのかを判断する
前回とのデータの違いを比較し、違いが顕著であればすぐに医師へ報告する
前回観察した時よりも患者が苦しそうであるかを見極めることが重要ポイントとなり、ファイティングの原因究明につながる
患者自身の呼吸状態が改善し、鎮静を浅くしたにも関わらず、人工呼吸器の設定がそのままであると、患者自身の呼吸とうまく合わず、ファイティングが起こる
例)自発呼吸のある患者にCMVなどの強制換気モードを使用
ファイティングにより、患者は適切な呼吸が妨げられ低酸素に陥る可能性があるため早急な対処が必要
※合わない呼吸補助は患者にとって拷問
※自発呼吸の回数や換気能力に応じ、SIMVなどの同期モード、CPAPなどの換気補助モードへの変更について医師と検討する
ファイティング時の対応方法
- まずは患者の状態を観察する
【意識・循環・呼吸・Spo2】 - 循環や呼吸状態に異常があればドクターコール
- バッグバルブを使用して用手換気に切り替える
※小児など、気道内圧の厳重な管理が必要な患者にはジャクソンリース回路を用いる
- 人工呼吸器の設定が患者の呼吸に合っているかを確認する
- 鎮静、鎮痛が適切であるか評価し、不十分であれば医師に報告する
- トリガー感度の確認と人工呼吸器の動作確認を行う
- ファイティングが改善しない場合、Spo2の低下などがある場合は直ちに医師へ報告し、人工呼吸器の設定変更を検討する
ファイティング時の対応の中には医師の指示及び医師の手技でなければ施行できないものもあるため、医師への報告、連絡、相談を行い、指示を仰ぐ
アセスメント
- ファイティングによる呼吸への影響を理解し対応できているか
(ファイティングにより換気が妨げられ低酸素に陥る可能性あり) - 観察により、ファイティングの原因を把握することができたか
- ファイティングの原因に応じ、適切な対処を行うことができたか
- ファイティングへの対処後、密に患者を観察することができているか
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