用語解説
用語の読み
にほんこくさいほけんいりょうがっかい
用語の意味
近年、技術の進歩によりモノやサービスが容易に移動できるようになったのと同時に、疫病や感染症もボーダレスに運ばれるようになり、一部の国や地域で発生した病でも瞬く間に世界に広まるようになりました。
世界的に病気やウイルスが広がっていく一方で、経済や社会情勢の違いによる医療格差は改善の傾向が見られず、更なる増加傾向にあります。そうした状況を改善し、全世界の人々が健康であるよう、様々な研究成果がより良く、より早く医療に貢献されるよう、研究発表の場や研究者の交流の場を必要とする声が高まってきました。
こうした流れを受け、22年ほど前に設立されたのが日本国際保健医療学会です。
国際保健の考えの基礎と言える学問が熱帯医学です。
その起源は、ヨーロッパ各国がアジア・アフリカを植民地化にのりだした時代まで遡ります。
植民地に出向いたヨーロッパ人がかかる病気の治療と労働者の健康維持の為、熱帯医学特有の病気に対する医学、すなわち熱帯医学が発達しました。
植民地支配が廃止された後は、健康は基本的人権であるという考えのもと、途上国における医療・医療サービスの向上、自立した生活、地域住民が参加する医療などの観点で、国際保健学が論じられるようになりました。
紛争による難民達の医療問題、世界各地で起こる自然災害、経済の不況から来る貧困層の医療サービス低下、世界的な環境問題、次々に発見される新しい感染症・・・と問題は常に存在し、先進国各国の医療に携わる人々は世界中で活躍しています。
日本でも当学会が医療、政治、経済、環境、福祉などの専門家が一同に集まり、成果と研究、現地での経験などを発表し、さらによりよい方法を編み出し共有できる場となることを期待されています。
看護師・椿(つばき)の一言コメント
日本国際保健医療学会の歴史は20年以上さかのぼること…元々はボランティア等の個人のみならず民間団体の熱意の基にスタートした組織の様です。
これからの展望としては、各国の支援や協力の調整、地球上の健康問題、つまりは国際保健学を科学的に世界に浸透させていくのが今後の課題との事…何ともテーマが壮大すぎる…。
又、日本国際保健医療学会・学生部会(jaihーs)も存在していて、ここでは学生を対象に「国際保健に関わる人材育成」に取り組んでいるとのこと。
会員資格は国内外の大学・大学院・専門学校で国際保健医療に関心があるものなら誰でも資格はあるようで、やはり看護学生や医学部の学生が会員が中心のようだ。
具体的な所はと言うと世界の保健と医療(特に発展途上国に対する)を理解し平等に医療・保健を受けられその為にどのようなシステムを構築して行くのかを考えて世界に広げていこうではないか!!という勉強になるのでしょうね。
本会員も職種問わず入会費を払えば会員となれるらしいので興味のある方はホームページを一度見て見てはどうでしょう?